日記やnoteが「続かない」人へ! 現役ライターが教える“書く習慣”を身につけると何がいいのか?
学生のころから「書く」ことが好きだった。といっても寝食を惜しんで長編小説を書いていたわけでなく、ネットの掲示板やTwitterなどのSNSへの投稿が主だ。日々の出来事や、アニメや漫画の感想を共有して楽しんでいた。そして今は、ライターとして本の紹介もしている。この10年は、ほとんど毎日ネット上で文章を書いている気がする。
どうして、ここまで続けてこられたのか。本書『書く習慣 ~自分と人生が変わるいちばん大切な文章力~』(いしかわゆき/クロスメディア・パブリッシング)を読みながら、改めて考えた。おそらく自分の場合は、考えていることを言語化し、誰かに反応をもらうことが好きなのだ。日常で抱いた違和感や、作品から受けた感動。それを「書く」ことで共有し、見知らぬ誰かと交流したい。
著者の「ゆぴ」こと、ライターのいしかわゆきさんは、「書く」ことで人生が変わったという。現在はWebメディアでの執筆や取材、企業SNSの運用などを行っているが、きっかけは日常の「モヤモヤ」を書いたブログ。そこからライターとして採用、本の出版などの新しい道が開けた。また、著者のように直接仕事にしなくとも、「書く」ことの意義は大きい。日々の感情や思考が整理でき、前向きに生きるヒントになる。実際にこの本を読んだ読者はTwitterをはじめSNSで「書く習慣」にチャレンジしている人が多いようで、noteの投稿数は2000本を超えたようだ。
ブログはハードルが高い? まずはTwitterを活用してみる
本書では、いわゆる“文章術”的なテクニックというよりも、書きたいことを書く、そして続けるためのコツを教えてくれる。たとえば、「書く」ことのハードルが高いと感じているなら、まずはTwitterを活用してみよう。何文字でも書けるブログよりも、気軽に始められるはずだ。140字という制限によって、短い文字数にエッセンスをまとめる練習にもなる。
書く内容が思いつかなければ、本や映画の「感想ツイート」はどうだろうか。ビジネス書ならポイントを箇条書きでまとめ、感動した作品なら140字いっぱいに感想を書いてみる。本や映画の話題は、他の人の感想が気になって検索する人が多いから、普段のフォロワー以外からも反応をもらえるかもしれない。
書き始められないなら、「思考停止時間」を見つけて習慣化
文章の長さだけでなく、いつ書き始めるかも問題だ。〆切のある原稿なら直前には追い込まれるが、Twitterやブログは誰かに強制されるわけではない。「パソコンが使える時に腰を据えてやろう」なんて思っていると、ずるずる先延ばしになってしまう。本書では、気軽に書き始めるための工夫も紹介している。
著者は、「ゆぴの10分日記」という500~800字程度の記事を一時期毎日更新していたそうだ。執筆時間は、帰宅中に最寄り駅から自宅に着くまでの10分間。たしかにこの時間は「しなきゃいけないこと」があるわけでもないし、毎日必ず発生するから習慣化しやすい。私たちの生活には、こうした何もしていない「思考停止時間」がいくつかあるはずだ。ひとつでも「書く」時間に変えてみれば、執筆量はぐんと増えるだろう。
本書では他にも、文章を書く時の心構えや、記事のタイトル付けのコツ、読者に共感してもらう方法など「書く」ことにまつわるトピックを紹介。また「お悩み診断チャート」もついていて、「国語力に自信がない」「文章がうまくまとまらない」など、悩みに対応したアドバイスも受けられる。本書を読めば、「書く」こと、そして自分の人生も少し楽になるはずだ。
文=中川凌
記事提供=ダ・ヴィンチWeb
この記事で紹介した書籍ほか
書く習慣
著:いしかわゆき
出版社:クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
発売日:2021/08/31