専門医の先生に聞きました!2024春、花粉対策グッズ最前線はコレ!
春になるとやってくるのが花粉。くしゃみや鼻水、かゆみに悩まされる人もたくさんいるはず。今年はまれにみる暖冬ですでに症状が出ている人も多いのでは?今やさまざまな対策グッズが登場していますが、実際のところ、どんなものが本当に効果があるのでしょうか。そして、どのくらい効き目があるの?
そんな疑問に、日本医科大学付属病院 耳鼻咽喉科 部長で日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会の理事でもある、日本医科大学大学院医学研究科 頭頸部感覚器科学分野 教授の大久保公裕先生が答えてくれました。花粉対策グッズで今から準備しよう!
マスクとメガネはこのひと工夫があるものをセレクト!
花粉症は、花粉が目や鼻から体内に取り込まれてアレルギー症状が起こることで発症します。それを防ぐための基本的な対策としては不織布のマスクとメガネが挙げられます。
「香りによって気分がよくなるので、アロマ付きの不織布マスクを選ぶのも一つの方法です。また、自転車やバイクに乗る時など正面から目に風が入るようなときは特に、メガネをかけることで花粉が体に取り込まれる場合を防ぐことができます。通常のメガネで防御できる花粉の量は、裸眼の時の4分の1から3分の1ぐらいといわれていて、横にフードが付いた花粉対策のメガネを使うとさらにその倍・3分の2の花粉がカットされるのでより効果的です」(大久保先生)
編集部おすすめはコレ!
・ハーブの香りで癒やしの口元空間に! 「三次元メイクがおちにくいマスク ほんのりハーブが香るマスク」
耳が痛くなりにくい、メークが落ちにくいなどうれしいポイント満載
マスクの内側に閉じ込めたマイクロカプセルがはじけることで香りが続く不織布マスク。ローズ、ラベンダー、グレープフルーツ、ジャスミン、カモミールの5つの香りが選べます。メークが付きにくい構造も女性に人気です。香りが弱くなってきたらたたくと香りが出てきます。
商品詳細
「三次元メイクがおちにくいマスク ほんのりハーブが香るマスク(ローズ)」(興和)
価格:オープン価格
編集部おすすめはコレ!
・隙間からの花粉を徹底的にガードするメガネ!「JINS PROTECT」
花粉対策だけではなく、目の周りの潤いを保つ乾燥対策付き!
専門医師が監修した実証実験で、花粉のカット率99%以上を実現した花粉対策用のメガネ。花粉や飛沫(ひまつ)が侵入する隙間を減らし、顔にフィットする設計になっています。フードが目立たないデザイン性の高さもうれしい。
商品詳細
「JINS PROTECT MOIST」(JINS)
価格:5,500円(税込)
鼻に塗るクリームやジェルはメントールでつらさを軽減
メントールなどが含まれた鼻の粘膜に塗るクリームやジェルは、鼻の入り口に塗ることでそこに花粉がくっつき、鼻の中に花粉が入ることを防ぐイメージ。実際の効果は?
「鼻に入る花粉の量を減少させるため、一定の効果があります。また、メントールの含まれたクリームやジェルは、TRPM8といわれる受容体に働きかけることで鼻の粘膜が収縮し、鼻の通りがよくなるのでつらい症状を和らげてくれます。ただし、花粉のサイズは1mmの30分の1という小ささ。一方で鼻の入り口はどんな人でも8mmくらいはあり、そこを通って花粉が入ってくること自体を完全には防げません。また、鼻水で流れてしまい効果が薄くなってしまう場合も。花粉の多い日や鼻水が止まらない時などは不織布マスクと併用するとよいでしょう」(大久保先生)
編集部おすすめはコレ!
・爽快感のあるミントの香り! 「アレルシャット 花粉 鼻でブロック ミント」
鼻の中に塗るので目立たず、化粧崩れの心配もなし。マスク代わりに便利
鼻の穴に塗ることで花粉、PM2.5、黄砂、ハウスダストの吸入を防止するクリーム。クリームの高密着フィルター効果で花粉などをキャッチします。爽快感のあるミントの香りで、鼻の通りがよくなります。
商品詳細
「アレルシャット 花粉 鼻でブロック ミント チューブ入 30日分」(フマキラー)
価格:1,100円(税込)
部屋での最大のポイントは花粉を舞わせないこと
窓からの風や衣服にくっついて部屋の中に花粉が持ち込まれると、それがほこりと共に舞って花粉症の症状を引き起こす原因に。特に、寝室に花粉が持ち込まれると寝不足の原因になってしまいます。
「寝室での花粉対策には加湿器がおすすめ。なぜなら、寝室は日中には人がいないので空気が動かず、花粉はほこりと共に床に落ちて舞っていない状態です。そういう状態で空気清浄機を使っても大きな効果は見込めません。加湿器を使うと湿気によって花粉が重くなって舞い上がらないので、寝ている間の花粉症対策としては効果が大。さらに乾燥しがちな目や鼻の粘膜を潤して、花粉症の症状を緩和してくれます」(大久保先生)
では、空気乾燥機を置いて効果がある場所は?
「日中に人が動くリビングの中でも、室内で最も空気が動く場所=花粉が入ってくる場所である部屋の入り口から1mほどの場所に置くと理想的でしょう。また、窓がある部屋ならその反対側の壁に空気が当たり、そこから花粉が舞うことに。それを防ぐためには、窓と反対側の位置に置くといいといわれます」(大久保先生)
また、家に入る前に外でアウターや髪の毛をよく払って、花粉を持ち込まないようにしましょう。アウターを花粉がくっつきにくいナイロンなどのつるつるした素材のものにするのも花粉対策として効果あり。
「逆に、目が細かい毛のコートなどは花粉が入り込みやすいので、去年のものを出してきただけで花粉症の症状が出てしまう人も。髪の毛の花粉予防は、帽子をかぶるのももちろんいいですし、髪の長い人は束ねるだけでも表面積が少なくなるのでくっつく花粉の量を減らすことができます」(大久保先生)
部屋の拭き掃除をこまめにして、持ち込んでしまった花粉を部屋から取り除くことも大事です。
「空気の流れが止まり、花粉がたまりやすい部屋の四隅は、特にこまめに拭き掃除を。部屋の中で綿ほこりがたまりやすい場所があったら、そこにも花粉がたまっているので、しっかりとキレイにしましょう」(大久保先生)
編集部おすすめはコレ!
・花粉が付着しにくい!1枚あると便利な「マウンテンパーカー/撥水、花粉ガード(カーキ)」
カーキのほかにチャコール、オフホワイト、ベージュも
光沢感のあるメモリーツイル素材のアウター。きれいめの質感なので通勤着にも使えます。花粉が付着しにくく、落としやすい加工を施してあるので部屋への花粉の持ち込みを防止。撥水(はっすい)加工で雨の日の水ぬれも安心です。
商品詳細
「マウンテンパーカー/撥水、花粉ガード(カーキ)」(ROPÉ PICNIC)
価格:8,239円(税込)
症状が出てしまったら?
ここ十数年で抗アレルギー薬のスイッチOTC化が進み、町の薬局でさまざまな抗アレルギー薬を買うことができるように。飲み薬だけでなく、点鼻薬や点眼薬にもスイッチOTCは多数。それらを活用すれば、通院の待ち時間なしで薬の高い効果を得られる。
「OTCとはオーバー・ザ・カウンターの略語で、安全性の高さから薬剤師さんの見立てだけで買うことができるようになった薬剤のことです。2006年にザジテンの点鼻薬がスイッチOTC化されて以来、数々の抗アレルギー薬が薬局で買えるようになりました。眠くなりにくい第二世代の抗アレルギー薬の中でも、エピナスチンはアレジオンという販売名で、フェキソフェナジンはアレグラやアレルビなどの販売名で知られています。最近では、2019年にタリオンがスイッチOTC化されました」(大久保先生)
花粉症対策のためのうがい薬はどういう種類を選ぶべき?
「コロナ禍に一時、品薄にもなったイソジンと呼ばれるポビドンヨードは殺菌消毒剤なので、実は花粉症にはそこまで効果はないんです。アレルギーの症状緩和に使われているのは、アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)の入ったうがい薬です。粘膜を保護する作用があるので、鼻から喉に降りてきた花粉の刺激によるイガイガの解消に効果的です」(大久保先生)
編集部おすすめはコレ!
・くしゃみ、鼻水、鼻づまりに!「フルナーゼ点鼻薬(季節性アレルギー専用)」
鼻スプレーで、シュッと鼻に直接効く
医薬品の季節性アレルギー専用の点鼻薬。花粉症などのアレルギー性鼻炎の3大症状である、くしゃみ、鼻水、鼻づまりにワンプッシュで効果を発揮します。有効成分はフルチカゾンプロピオン酸エステル。
商品詳細
「フルナーゼ点鼻薬(季節性アレルギー専用)」(指定第2類医薬品)(グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン)
価格:1,580円(税込)
編集部おすすめはコレ!
・たっぷり使える水溶性アズレン配合のうがい薬「浅田飴AZうがい薬」
家族で使える大容量サイズ
花粉やウイルスなどによる口中・喉の腫れに効くうがい薬。うがいをすることで口中や喉粘膜に直接作用し、アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)が喉の腫れを抑えます。たっぷり使える250回分。
商品詳細
「浅田飴AZうがい薬」(第3類医薬品)(浅田飴)
価格:オープン価格
コレってホントに花粉症?
鼻水が止まらず、鼻がムズムズするので花粉症だと信じ込んでいたけれど、抗アレルギー薬が全く効かない…。「そんな時は、コレってホントに花粉症?と疑うことも大事」だと大久保先生は話します。
「特に花粉の季節の序盤である2月中はまだまだ寒いので、皮膚近くが刺激されることで鼻水が出ることもあるんです。例えば、薄着で外に出たら、風邪を引いたわけでも花粉症でなくても鼻水が出てきますよね。これは副交感神経による反射です。逆に熱い鍋物や辛い韓国料理などを食べても鼻水が出ますよね。これは胃が温められた反射で鼻水が出るんです。また、目が乾燥して涙が出る、かゆみが出るドライアイも花粉症と間違えやすい症状です。病院に行かなくては分からないこともありますから、薬を飲んでも症状が長引く時には自己判断に頼らず、病院へ行くことをおすすめします」(大久保先生)
花粉対策グッズを上手に使って、今年の花粉シーズンを乗り切りましょう!
取材・文=本嶋るりこ
教えてくれたのは
大久保公裕
医師・大学院教授。日本医科大学大学院の教授であり、日本アレルギー協会、日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会の理事のほか、奥田記念花粉症学等学術顕彰財団理事長を務める。