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毛髪診断士が指南!パサつき、抜け毛など「秋の髪ダメージ」を徹底改善

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毎年、秋になると抜け毛が増えて髪がパサつく…。男女を問わず、そんなお悩みを持つ人は少なくありません。夏のあいだに紫外線を浴びた髪や頭皮には、気づかないうちにダメージが蓄積。そのダメージが、抜け毛などの形で徐々に表れるのがこの時季とされています。そこで今回は、夏バテした髪と頭皮のアフターケアや、髪にやさしい生活習慣について、毛髪診断士の余慶尚美さんに教えていただきました。

抜け毛に切れ毛にフケ…、秋はなぜ髪や頭皮のトラブルが多い?

「秋は一年でもっとも抜け毛が多い時季。生え変わり後の髪を健康に育てるためにも、ケアを始めるにはいまが最適です」と、余慶さん。

夏のあいだに紫外線や熱にさらされ続けた髪は、水分を保持する力が極端に低下しています。秋になって空気の乾燥が進むにつれ、髪や頭皮はますますパサつきがちに。切れ毛やフケなども、この時季に特に多くみられるトラブルです。

「皮脂や汗の影響で、頭皮環境も悪化しています。猛暑による自律神経の乱れ、夏バテからくる栄養不足なども髪のダメージの原因です。とはいえ、夏の影響がさまざまな形で秋に表れるのは、ある意味自然なこと。日常の少しの工夫で、改善が期待できますよ」(余慶さん)

髪の汚れはお湯だけで7割落ちる!

シャンプーはヘアケアの基本中の基本ですが、汚れをしっかり落とそうと必要以上のシャンプーを使っていませんか? 余慶さんによると、汚れのおよそ7割は“湯洗い”だけで落ちるのだとか!

「シャンプー前に必ず、38~40度程度のぬるま湯で2分ほどしっかりと湯洗いしましょう。これによりほとんどの汚れが落ち、少量のシャンプーでも泡立ちやすくなります。頭皮にも余計な負担がかかりません」(余慶さん)

また、頭皮にかゆみや赤みなどの炎症が起きている場合や、あまりにも髪のダメージがひどいときは、一時的にシャンプーの使用を控えて様子を見ることも大切だそう。

「相当な量のワックスやヘアオイルなどを使用していない限り、ダメージのあるときは湯洗いだけでじゅうぶん。汚れが気になるなら、3日に一度程度、少量のシャンプーを使ってもよいでしょう。ロングヘアで髪がきしんでしまう方は、湯洗いのあとにトリートメントを少しもみ込んで洗い流すと指通りがよくなりますよ」(余慶さん)

ダメージを防ぐ正しいドライヤーの使い方

髪の外側に位置し、内部を保護する役目を持つキューティクルは、たけのこの皮のように連なっています。ドライヤーの仕上げは、キューティクルが開いてしまわないように髪の上から下に向かってあてるのが基本。髪に対し45度くらいの角度を意識しながら、毛流れに沿って乾かしていきましょう

洗髪のあと、「髪にダメージを与えたくない」と、ドライヤーを使わずに自然乾燥している人は意外と多いそう。じつはこれ、髪のダメージをますます加速させてしまうんです……!

「自然乾燥は絶対にNGです。洗髪後はキューティクルが開きっぱなしの状態。髪の健康のためには、濡れている時間を少しでも短くすることが重要なんです」(余慶さん)

とはいえ、高温で短時間のうちに乾かしてしまえばいいというわけではありません。

「乾かすときは、キューティクルの流れを整えるように意識して。なるべく髪の毛を逆立てず、斜め上から風をあてていきましょう。また、髪を構成しているたんぱく質は100度の高温で変質するとされています。ダメージを避けるには、温度ではなく風で乾かすことを心がけて。最近では、強風・低温の高性能ドライヤーも種類が豊富です。乾かす際にキューティクルの流れにさえ気をつければ、ヘアケアの強い味方になってくれますよ」(余慶さん)

食生活の改善で体のなかから髪を育てよう

頭皮と髪の健康には、食生活を整えることも重要。この時季は特に、髪によい食材を意識して摂り入れましょう。

「髪の主成分はケラチンというたんぱく質ですが、ケラチンの生成に欠かせないのが亜鉛と鉄。レバーや高野豆腐、貝類などに豊富に含まれています。これから旬をむかえる牡蠣もおすすめですよ」(余慶さん)

また、わかめやもずく、めかぶ、ひじきなどの海藻類に含まれるフコイダンは、髪の毛を作り出す「毛母細胞」を活性化させるはたらきがあるそう。

「わたしは、黒ゴマと黒豆きな粉、豆乳を混ぜたドリンクを積極的に摂っています。黒ゴマはビタミンEが豊富で抗酸化作用があり、黒豆きな粉には亜鉛や植物性たんぱく質、豆乳には大豆イソフラボンが含まれています。髪の健康にとっては、まさにスーパードリンク。混ぜるだけでお手軽ですので、ぜひ試してみてくださいね」(余慶さん)

生活習慣を見直し健康な髪と頭皮に

 ちょっとした生活習慣の見直しも、髪と頭皮の健康につながります。

「睡眠は、体のダメージを修復するための大切な時間。髪の成長や頭皮の新陳代謝に欠かせない成長ホルモンも、睡眠中に分泌されます。できるだけ毎日同じ時間に寝て、7時間は睡眠時間を確保したいですね」(余慶さん)

朝のシャンプーが習慣になっている方も多いですが、髪と頭皮のためには夜に入浴してシャンプーし、一日の汚れを落としてから布団に入るのが基本だそう。

「メイクを落とさずに寝ることが肌に良くないのと同じで、髪の汚れが付着したまま寝てしまっては頭皮に悪影響。枕カバーが汚れ、衛生的にもよくありません。髪と頭皮の修復タイムであるせっかくの睡眠時間は、清潔な状態で過ごしましょう」(余慶さん)

健やかな頭皮を保つには、自律神経を整えることも大切。適度な運動は副交感神経を活発にし、頭皮の血流改善にも役立ちます。涼しい風が吹き始めた気持ちのいい季節、ストレッチやウォーキングも積極的に取り入れていきたいですね。

教えてくれたのは

余慶尚美

毛髪診断士。国際薬膳師・国際薬膳調理師。漢方美容や薬膳料理などの幅広い知見を活かした、独自の美髪メソッドを開発。女性のライフスタイルをトータルケアするヘアスペシャリストとして、メディア出演や執筆、講演活動などを幅広く行う。著書に『髪トレ』(主婦の友社)など。

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