4月10日は“駅弁の日”!5000個実食の駅弁の女王が薦めるお取り寄せ可能な弁当3選
目次
・見た目、味、音…など五感で楽しめるすき焼き風弁当
・豪華なSL型の容器を開くと現れる光り輝く鱒(ます)の寿司(すし)
・関西の老舗・淡路屋の人気のお弁当3つがセットに!
日本鉄道構内営業中央会によって、4月10日に定められている“駅弁の日”。駅弁の需要拡大が見込まれる行楽シーズンということが、この日に制定されている大きな理由の一つだそうだが、近年はコロナ禍でなかなか旅に出られないのも事実だ。
そんな中、「駅弁は車内で食べるものから自宅で食べるもの、という意識の変化も生まれています」と、新たなスタイルが定着し始めている最近の駅弁事情について教えてくれたのは、“駅弁の女王”こと旅行ジャーナリストの小林しのぶさん。
「コロナ禍で旅に出る人が激減し、駅弁業界は大変な状況ですが、百貨店やスーパーでの駅弁大会などのイベントが増え、また冷蔵・冷凍することで、通販が可能な駅弁を開発する調製元が増えています」(小林さん)。今まで以上に駅弁は消費者にとって身近なものになっているそうだ。
「車窓からの風景をめでながら日本酒を飲むのが好きで、駅弁に目を付けました。特に幕の内駅弁は、おかずがいろいろ入っていて、酒のつまみにうってつけ。さまざまな幕の内駅弁を食べているうちに、その奥深さを知りました」と旅を通じて、駅弁にハマったという小林さん。これまでに食べた5000個を超える駅弁の中から、取り寄せることができて、自宅でも旅情気分を味わえるお薦めを3つピックアップしてもらった。
ふたの内側についたセンサーによって「ふるさと」が流れる日本初のメロディー付き駅弁
「ふたを開けると、『ふるさと』のメロディーが流れるので驚かないでください」(小林さん)と紹介されたのが、明治28年に三重県JR松阪駅で創業したSL時代の名残を残す老舗、駅弁のあら竹の「モー太郎弁当」。牛の顔をかたどった容器がインパクト抜群で、百貨店などのイベントではあっという間に売り切れてしまう人気のお弁当だ。
「“松阪ブランド”にも認定されている国産黒毛和牛のすき焼き風弁当です。ご飯が見えないほどどっさりのった和牛が、三重県産コシヒカリに良く合います」(小林さん)
濃過ぎない味付けのため、黒毛和牛本来の味を感じることができる
実際に食べてみたところ、牛肉は肉本来のうま味が感じられるような味付けで、舌触りも柔らかく上品な印象。パッケージの外観やギミックのユニークさに加えて、味、そして風情も感じられる、五感を刺激するお弁当だ。
<商品情報>
駅弁のあら竹 モー太郎弁当
1,500円(税込)
https://ekiben-aratake.shop-pro.jp/?pid=161333145
豪華なSL型の容器を開くと現れる光り輝く鱒(ます)の寿司(すし)
金のスプーンと刀には刻印が施されるなど、細部へのこだわりも満載
「SL大樹を模した容器は重厚感、高級感があり、SLファンならずとも欲しくなってしまいます」という小林さんのコメントの通り、東武日光駅で売られている日光鱒鮨本舗の「SL大樹日光埋蔵金弁当プレミアム」もまた、見た目から楽しませてくれるお弁当だ。
「新鮮で質の良い鱒を使った鱒寿司で、生ゆばがご飯の間にサンドされています。一緒に添えられているのは、金色のシャベルスプーンと日本刀をかたどったナイフ。これで寿司を切って食べるという、小物にもこだわっている駅弁です」(小林さん)
酢飯の中には日光の名物である生ゆばが姿を隠している
鮮度にこだわり抜いており、当日の朝に作ったものを宅配するというスタイルで届けられるこのお弁当。ふたを開けるとツヤツヤとゴージャスに光り輝く鱒が目に飛び込んできた。ふっくらと脂乗りの良い鱒と酢の塩梅が絶妙なクオリティーの高い一品だ。
<商品情報>
日光鱒鮨本舗 SL大樹日光埋蔵金弁当プレミアム
2,000円(税込)
http://www.masuzushi.com/
淡路屋の駅弁の中でも特に人気の3種類がセットになっているのがうれしい
「駅弁を3個、5個とセットで販売している商品も出てきています」と小林さんが教えてくれた近年の駅弁事情を象徴する商品が、「【冷凍】駅弁 3種セット(どこでも駅弁シリーズ)」。「きつねの鶏めし」「ひっぱりだこ飯」「神戸名物すきやき弁当」という淡路屋の人気駅弁が顔をそろえている。
「元の駅弁の体裁と味を変えずに冷凍可能に改良されています。レンジでチンしても大丈夫ですが、自然解凍にも対応した優れもので、20℃なら4~5時間ほどで解凍されます。朝、冷凍庫から出しておけば、昼頃にジャストな食べ頃なので、オフィスでも味わえます」(小林さん)
ぷりっぷりのタコは身とゲソが2つ入っていて食べ応え抜群だ
もちろんレンジで温めてもおいしく、実際に「ひっぱりだこ飯」を食べてみたところ、温めている時からほのかにいい香りが…。味がしっかりと染みたご飯に、柔らかいタコ、うま味が感じられるアナゴと、こちらもまた抜群のおいしさだった。
<商品情報>
【冷凍】駅弁 3種セット(どこでも駅弁シリーズ)
2,380円(税込)
https://all.awajiya.co.jp/?pid=159456156
電車の中で食べる風情あってこその駅弁と思っていたが、今回取り寄せてみたところ、自宅でもおいしく楽しむことができた。気軽に手に入れられる商品も多くなっているので、自宅で駅弁を味わうというスタイルを、ぜひこの機会に試してみてほしい。
※店舗や時期によって在庫状況は異なります。また価格変更や販売終了などになることがありますのでご了承ください。
文=野宮ジュン
小林しのぶ
風土ジャーナリスト。旅行ジャーナリスト。年間60〜100個ほどの駅弁を30年以上食べ続けており、その総数は5000個以上に及ぶ“駅弁の女王”。「日本駅弁大全」(文藝春秋)など駅弁に関する書物を執筆するほか、監修として駅弁の開発にも携わる。
インフォメーション
駅弁のあら竹
https://www.ekiben-aratake.com/日光鱒鮨本舗
http://www.masuzushi.com/淡路屋
https://www.awajiya.co.jp/