【お役立ち記事】お金がたまらない人はここに原因?5つの見えない落とし穴
無駄遣いなんてしていないのに、相次ぐ値上げラッシュのせいで支出が増えるばかり。ためたいと思っても、削れるお金なんてどこにあるのと言いたくなります。多くの人は、自分は浪費などしていないと思っているもの。それでもお金が残らないのは、気付いていない“隠れ消費”があるのかもしれません。お金が消える原因になっている5つの落とし穴をチェックしてみましょう。
通勤通学の途中で、つい寄ってしまうコンビニや雑貨ショップはありませんか?特に欲しいモノがあるわけでもないのに、眺めているうちに商品を手に取ってしまう。いつもの習慣で店に入り、そこでなんとなく買い物してしまう、いわば「ルーティン消費」と呼ぶべき行動です。一回に300円程度、週に二回も買い物すれば、一カ月では2400円にもなるのです。「欲しいわけではないけれど、見ているうちについなんとなく…」という気にさせる店は、あなたにとって要注意スポット。財布からレシートを出してみて、普段どんな店でよく買い物しているかをチェックしてみて。同じ店名のレシートがたくさん出てくるようなら、そこが誘惑のお店かもしれません。なるべく近づかないようにするのがベターですが、せめて立ち寄る回数を減らしましょう。
値上げラッシュの今、安くなると聞けば買いたくなるもの。スマホアプリに届く割引クーポンや、お店からの5%オフデーのお知らせなど、目にした以上は買い物しないと損!と思ってしまいます。しかし、これこそが「お得のわな」なのです。そもそも、こうした割引サービスは私たち消費者のためというわけではありません。「安くするので、買い物に来てくださいね」という“まき餌”をたくさんまいて、人を呼びよせるための戦略です。「せっかくここにクーポンがあるのに、使わないのはもったいない」と感じてしまい、無理やり買い物をしてしまうのです。
同じような「お得のわな」には、「3品買うと10%オフになります」とまとめ買いを誘うものも。得するように見えて、実際に得するのはたくさん買ってもらったお店側です。とはいえ、「割引」が悪いのではありません。欲しいものを割引で安く買うのは賢い消費、割引のために不要なものを買うのが無駄な消費なのです。「割引」そのものが買い物の目的になっていないか考えてみて。
心強い節約の味方というイメージの「ポイント」。お金代わりに使えるポイントは、ためればためるほどお得だからと、大量のポイントを稼ぐべく「ポイ活」に励んでいる人も多いでしょう。中には「年間●万円分もためた!」というポイント長者もいるかもしれません。確かにポイントは節約ツールの一つですが、たくさんためている人は、それだけたくさん支払いもしていることに。ポイントは払った金額に対して還元されるため、多くためるには割引価格で安く買うより定価で買った方がいい理屈になるからです。
しかも、20%30%といった高還元率キャンペーンで付与されるポイントは、有効期限が短いことが多いもの。せっかくためたポイントを無駄にしたくないために、どうにか使い切ろうと余計な買い物をしてしまいがち。気付くと、ポイント消化のために買い物を繰り返しているかも…。節約の役に立つうれしいポイントですが、本来は「おまけ」です。常にポイントをたくさんためること、そして使い切ることばかりに気をとられて不要な消費を繰り返しては、なかなかお金は手元に残りませんね。
経済産業省によれば2021年のキャッシュレス決済比率は32.5%まで伸びたそう。財布にお金がなくても払えるし、キャッシュレスならいろいろな還元があるから――キャッシュレス派からよく聞く言葉ですが、お金を払ったという感覚を薄めれば薄めるほど、人は気楽に買い物をしてしまうもの。スマホ決済や電子マネーで残高が一定額を下回ると自動でチャージされる設定をしている人はもっと危険です。結局いくらチャージされて、いくら使ったのか、きちんと把握するのが難しく、銀行口座から引き落とされてみたら赤字だったと気付くことも。
また、クレジットカード、スマホ決済、交通系ICカード、スマホ料金との合算払いなど、決済サービスを増やせば増やすほど確認や管理に手間がかかります。ためベタだと自覚している人は、使うキャッシュレス決済は2つくらいに絞り、オートチャージはしないのが鉄則です。
デジタル化とともにペーパーレスが進み、お金の流れはネットで確認するのが主流になりました。銀行取引もカードの利用明細もサイトにログインして…となると面倒で、小まめに見ていない人もいるのでは。でも、そこに払っていることすら忘れているお金が隠れているかもしれません。契約したもののあまり利用していないアプリの課金やサブスクサービスの利用料が、延々引き落とされているとすればもったいない!レシートが出ないこうしたお金は、払っていると意識するきっかけがないもの。支払い明細が紙で届かないとなると、2重に忘れてしまいがち。通帳や利用明細をデジタル化している人は、毎月必ずチェックして。あまり使っていないサービスがあったら解約し、大事なお金を無駄遣いしないようにしましょう。
松崎のり子
消費経済ジャーナリスト。『レタスクラブ』『ESSE』など生活情報誌の副編集長として20年以上、節約・マネー記事を担当。「貯め上手な人」「貯められない人」の家計とライフスタイルを取材・分析してきた経験から、雑誌やWEBで生活者目線に立った記事を執筆。著書に『定年後でもちゃっかり増えるお金術』『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない』(以上、講談社)ほか。