ライフスタイル

電気料金の値上げで家計がピンチ! 今すぐにでも実践できる電気代節約術

目次

電気料金の上昇が続いている中、値上げ幅が特に大きい中部電力や東京電力の供給地域では、昨年の同じ時期に比べて「電気代が2倍になった!」という世帯も。この冬、電気料金の急激な高騰に悩まされた方も多いのではないだろうか。

電気料金の上昇については、新型コロナウイルスの騒動が落ち着いたことによる電気需要量の増加や、ロシア情勢により電気の材料となる天然ガスなどの輸入価格が値上がりしたことなど、複数の要因がある。この状況は今後も続くと見られ、春からも全国の広い地域で電気料金のさらなる値上げが検討されている。

消費生活アドバイザーの和田由貴さんによると、家庭における電気代節約のポイントは、特に消費電力の高い“4家電”の使い方だそう。今回は和田さんに、今すぐ始められる電気代の節約術を教えてもらった。暖房器具の使用頻度が低くなる今だからこそ、エアコン以外の家電の使用状況についてもぜひ見直してみよう。

冷蔵庫の買い替え時は? 省エネモデルで節電効果

経済産業省の調査では、家電の電気使用量は、冷蔵庫/照明/テレビ/エアコンの“4家電”が最も高く、全体の5割近くを占めるとされている。「特にエアコン以外の3つは季節を問わず使用するため、使い方の見直しで年間を通じた節電が期待できますよ」と和田さん。

中でも冷蔵庫は、古いモデルと新しいモデルで電気使用量に大きな差が生じる。最近では、約10年前のモデルと比較して、消費電力が2/3以下の省エネ冷蔵庫も登場しているそう。

「環境省の運営サイト『しんきゅうさん』では、冷蔵庫をはじめとするさまざまな家電の新旧モデルを比較し、電気代や消費電力にどれだけ差が生じるかシミュレーションが可能。機種によっては、買い替えで年間約2万円の電気代節約となる例もあります。

省エネ家電への買い替えは、電気代の節約はもちろん、二酸化炭素の排出量削減にもつながります。総務省の統計では、冷蔵庫の平均使用年数は約13年。これより古いモデルの冷蔵庫を使っている家庭では、買い替えを前向きに検討してみてはいかがでしょうか。さらに、省エネモデルの冷蔵庫に買い替えた後も、季節に合わせて小まめに庫温調節をし、物を詰め込みすぎないようにすることでさらなる節電が期待できますよ」

メリットいっぱい! 使いやすいLED照明で大幅節電

家庭でも一般的に使われるようになったLED照明。ただし2019年の環境省の調査では、一般家庭の居間でのLED照明普及率は6割弱。4割近くの家庭で今も蛍光灯や白熱電球が使われているよう。

「機種にもよりますが、LED照明の電気使用量は蛍光灯や白熱電球と比べて約1/6~1/10。電気料金に換算すると、なんと倍近くの差になるとされています。まずは、使用頻度の高い居間からLED照明へ変えてみるのがおすすめです。照明の明るさや色など、簡単に調光できる便利な点もうれしいですね」

テレビの設定メニューで画面の明るさをチェック!

テレビの節電においては、主電源のオフによる待機電力の節約が広く知られています。ただし、従来のブラウン管テレビと比べて、液晶テレビや有機ELテレビでは主電源のオン/オフで消費電力に大きな差は生じないそう。

「それよりも見直したいのが、画面の明るさです。テレビのメニュー表示では“輝度(きど)”と表示されることもあり、明るければ明るいほど多くの電力を消費します。おすすめは、画面設定で自動センサーをオンにしておくこと。昼夜の部屋の明るさに合わせ、最適な画面の輝度を自動で設定してくれます。テレビの設定状況を一度確認しておきましょう」

熱を発生させる“あたため家電”の使い方を見直そう

“4家電”以外では、熱を発生させる“あたため家電”で電気消費量が多くなる。和田さんによると、家庭で使用頻度の高い、炊飯器/電気ポット/温水洗浄便座の使い方の見直しがおすすめとのこと。

<炊飯器>

毎日使う炊飯器。ご飯を炊いた後に4時間以上保温するのであれば、炊き上がった後すぐに電源を切り、後から電子レンジで温め直した方が節電に。特に、朝炊いて夜まで10~12時間保温する場合では、2回分の炊飯と同程度の電力を消費してしまう。多めに炊いて1食ずつラップでくるみ、その都度電子レンジで温めることを習慣に。節電にもなり、おいしくいただけて一石二鳥。

<電気ポット>

お湯を沸かした後にそのまま保温もしてくれる電気ポット。便利な反面、保温の時間が長くなるほど多くの電力を消費する。おすすめは保温機能のない、シンプルな電気ケトル。スイッチひとつでお湯が沸き、やかんを使って都度コンロで沸かすよりも光熱費も若干おトク。電気ケトルがない場合はもちろんコンロでOKだが、その際はお湯の沸かし過ぎに注意を。

<温水洗浄便座>

冬の寒さが落ち着いた今、見直したいのが温水洗浄便座の温度設定。強・中・弱のモードを選択できるタイプがほとんどだが、節電モードがあれば積極的に利用しよう。また、トイレを使用した後はフタを閉めることを忘れずに。便座の温度が保たれ、節電につながる。

気候が良く、過ごしやすい春。エアコンなど暖房器具の使用頻度が減る今のうちに、家電の使い方を見直してさらなる電気代節約を目指したい。無理のない範囲で生活に取り入れ、快適な毎日を過ごそう。

取材・文=植木淳子

和田由貴(節約アドバイザー)

消費生活アドバイザー、省エネ・脱炭素エキスパート、家電製品アドバイザーなど、暮らしにまつわる専門家として幅広く活動。「節約は、無理をしないで楽しく!」をモットーに、快適と節約を両立したスマートで賢い節約生活を提唱している。

共有

最新記事

人気の記事

カテゴリ

TOP