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旅行シーズンに知っておきたい!プロが教えるコンパクトで見た目もきれいなパッキングのこつ

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長期間の帰省や、海外でのバカンスなど、ようやく旅行を楽しむことができる機運を迎えた今年の夏。久々の旅支度をする際、バッグの中で荷物がきちんと収まらなかったり、予想外に重くなり、駅の階段で苦労したりする人も多いのでは?

そんな旅支度が苦手な人に向けて、今回、きれいなパッキングの方法や整理整頓におすすめのアイテム、連泊数に応じた理想の荷物量などを整理収納アドバイザーの中山真由美さんに教えてもらいました。

旅行日数に合わせたおすすめのアイテムは?

1泊2日、3泊4日、それ以上など旅行日程に合わせて、まずは「リュックサック」「キャリーケース」「スーツケース」など荷物を入れるアイテムを選ぶことがおすすめです。またリュックは移動しながら両手が自由になる、お土産用のスペースも確保できるキャリーケースやスーツケースなど、アイテムの長所もさまざま。旅の目的をイメージして選んでみましょう。

1泊2日などの短期間の旅行には「リュックサック」

通勤通学にも利用されることが多く、日常的に使用している人も多いリュックサック。1泊2日程度ならば、タウンユースのサイズでも充分な必要なアイテムが収納できます。登山用など40リットルクラスの大容量サイズなら、3泊4日程度の荷物も持ち運ぶことが可能に。

「旅行において、リュックサックの最大のメリットは、両手が空くことです。お子さま連れの方には断然おすすめです」(中山さん)

荷物多めの中期旅行には「キャリーケース」がベター

ノートパソコンなど、小さく重い荷物も楽に運べるアイテムとして近年、出張などでも使われることが多くなっているキャリーケース。スーツケースの小型版として、たくさんのお土産を運んだりするのにも大いに活躍しています。

「最近はキャリーケース本体が軽量化しているので移動にもおすすめです。45リットルサイズは2泊3日の修学旅行でもよく使われています」(中山さん)

長期旅行には「スーツケース」を

ドレスコードが設定されているディナーや観劇の際に必要となるフォーマルな洋服と靴、そしてドライヤーなど、さまざまな荷物が必要となる海外旅行には、やはり大容量のスーツケースが適しています。

「どうしてもかさばってしまうサイズですが、長期間の旅行はスーツケースがベストですね」(中山さん)

かつて大人気だったボストンバッグは…?

昭和時代の旅行で、必ず使われていたボストンバッグ。最近はすっかり見かける機会が少なくなってきているが、その理由は?

「ボストンバッグは、今もバスケットボールやバレーボールなど、競技用ボールの収納では大活躍中です。その一方で、旅行に使うとなると、車やバス移動で1泊2日ほどの期間ならば大丈夫ですが、長期旅行の場合は、荷物の重量バランスが取りにくかったり、持ち方のバリエーションが少なかったりとデメリットも出てくるため、キャリーケースに移行している方がほとんどかと思います」(中山さん)

パッキングする上でのポイントは“旅の目的”をイメージすること

持っていくアイテムが決まったところで、次はパッキング。ここでは優先順にその方法を紹介します。

旅の目的に応じた“荷物のリスト化”

例えば、『2泊3日の観光旅行』『5泊6日の帰省』というように、まずは最初に、『何泊するどんな旅行なのか」という大枠をしっかりと決めましょう。そこから必要となるアイテムをリスト化していきます。自分がどんなものを持っていきたいのかをしっかり整理することで、必要最低限の荷物だけを選んで、パッキングすることができます。

続いて行うのは、荷物の分別。「着替え」「メーク・洗面道具」「スマートフォンの充電器」「常備薬」など、カテゴリー別に分けたものをポーチにそれぞれ分けて収納しておくと、必要な時に取り出しやすくなります。

この時に使うポーチは、中身を全部出し終わった後、小さく折り畳むことができる、タグのついたメッシュ素材がおすすめです。タグには、どんなものが中に入っているのかを書いておくと、取り出す時に便利です。また、『下着』など、重要なものは他のポーチと色を分けるのもおすすめ。

中山さんのバッグ一例。2泊3日でキャリーバッグに収納

すっきりきれいなキャリーバッグの中身!

荷物の収納場所を決める

リュックサックの場合は、最優先するのは使う頻度。

水平に荷物を積み上げていくよりも、垂直に収納していくと、中身が取り出しやすくなります。スーパーへ行った際、エコバッグや買い物袋に牛乳パックなど背の高いものを詰める時のことを意識するといいかもしれません。また、バランスを意識してパッキングしていくと、背負った時に軽さが出るはずです。

直接持ち上げる機会の少ないキャリーケースやスーツケースの場合は、安定性を最優先に、次に使用頻度を重視してパッキングを。

立てた際に一番下となる場所へ重量のあるものを置く以外は、使用頻度が高いものを取り出しやすい場所に収納しましょう。

きれいに収納するパッキングの基本ポイント

必要な時に必要なものをすぐ取り出すためには、きれいな収納が大前提。そのために、以下のことを心がけるといいでしょう。

・シワにならない素材の洋服を選ぶ
日頃から、このような素材の洋服を選んで買っておくと便利です。ジッパーで密封できるビニール袋に入れ、空気を抜いて圧縮すると、とてもコンパクトになりますよ。

・分別ポーチは柔らかい素材を選ぶ
ポーチ自体が硬い素材ですと、中身が洋服などのアイテムでも、隙間を有効活用することが難しくなります。無駄のないパッキングのためにも、メッシュ素材などを選びましょう。

・風呂敷を活用
デリケートな素材の洋服などは、風呂敷に包んで収納を。もし、荷物がスーツケースに入りきらなくなった場合にも風呂敷は大活躍してくれるので、1枚持っていくといいでしょう。

・おみやげスペースは残しておく
ついつい忘れがちなのが、帰りに荷物が増えてしまうこと。お土産などを収納できるようなスペースを旅の前から確保しておくことがおすすめです。旅行用かばんの中の1~2割は空けるように意識しておいてください。

旅上手の必需品アイテム!

年に何度もお客さまの元へ出張し、収納のアドバイスを行っている中山さん。旅のエキスパートでもある視点から、おすすめの旅アイテムを紹介してもらいました。

・ランドリーネット
「着終わった洋服や靴下などは、こちらに入れてまとめておくと、自宅に帰ってきた際に、そのまま洗濯機に入れて洗うことができるので、とても便利です」(中山さん)

・大きめのジッパー式ビニール袋
海水浴やプールでのレジャーなどで、ぬれたバスタオルや水着をしまうのに役立ちます。また、旅先での雨の日には、折り畳み傘を収納するのにも便利です。

・S字フックとつるせる洗濯ばさみ
使用したバスタオルや、手洗いした下着やタオルハンカチなどをホテルで干す際に、このセットをクローゼット内で使えば、より効果的に乾かすことができますよ。それぞれ3~4つ用意しておきましょう。

荷物を増やさずにミニマムに持っていこう!

余計なものを持っていかないために必要なものをリスト化したり、小さく圧縮したりすることも大切ですが、なにより一番大切なのが荷物を増やさないこと。そのための工夫も中山さんに教えてもらいました。

・下着やタオルは使い古したものを持っていき、旅先で捨てる
「昔から旅慣れた人のアイデアとして語られている方法ですが、帰りの荷物を減らすには効果的です」と、中山さん。

・アメニティーが充実した宿泊先を選ぶ
シャンプーやコンディショナー、スキンケアセットをはじめ、ドライヤーなどはどうしてもかさばりがち。女性の場合はレディースプランを選ぶとアメニティーが充実しているお部屋を用意してもらえるので、ぜひ利用してみてください。

・必要なものは忘れずに持っていく
『忘れたらコンビニで買えばいいか』と思っていても、いざ現地に行くと歩いていける距離にお店がなかったり、といったことも起こり得ます。旅先で困らないためにも、リスト化の際にピックアップしたものは持っていきましょう。

・重たい、かさばるお土産は宅配便で自宅に送る
旅行用かばんの大半を占めてしまう大きなもの、入れても運ぶのに苦労するものをお土産として持ち帰らなければならない時は、宅配便で送ってしまいましょう。

なるべく荷物は最小限にし、旅の目的に応じたアイテムを選び、パッキングすることが大切です。余計な荷物を増やさないことがコンパクトできれいなパッキングのこつ。「とにかく最初のリストが一番大切です」と、中山さん。使う頻度が高いものは日頃からポーチにまとめてそのまま使っているそう。すぐに取り入れられるご紹介したアイデアを参考に、すっきりきれいに整理された旅行アイテムと共に、すてきな旅を楽しみましょう。

取材・文=中村実香

中山真由美

整理収納アドバイザー/お部屋と心のカウンセラー。「整理収納」と電撃的な出合いをした13年前に、子どもの頃からの「捨て下手」「しまい下手」を克服。以降、お片付け業界の先駆者として、テレビ出演や講師活動、監修など、幅広く精力的に活動。著書『10分でスッキリ! 捨てない片づけ』(主婦と生活社)他。

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