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年金の種類とは?いくらぐらいもらえるの?学校では教えてくれなかった年金のこと

目次

“大人だったら知っていて当然”といわれる知識が社会にはたくさん存在します。

この連載では、「子どもの環境・経済教育研究室代表、元公立鳥取環境大学経営学部准教授」の泉美智子さんが「学校では教えてくれなかった 社会で生きていくために知っておきたい知識」をご紹介。労働のこと、お金のこと、結婚・子育てのこと、介護のこと、住まいのことなど、身近な役立つ知識を図解とともに紹介します。

今回は、年金の種類やもらえる金額について。老後の保障について、基本的な知識を身に付けましょう。

※記事内の具体的な金額表記は、書籍発売時の2022年3月時点のものです

●Question1:年金ってどんな種類があるの?

ANSWER:公的年金以外にも企業年金や個人年金がある

年金とは、働く年齢のうちから年金保険の形で保険料を納め、老後になってから生活を保障するお金が給付される制度です。大きく3つに分類できます。基本の部分は国が管理・運営する公的年金(国民年金、厚生年金)。上乗せする形で企業や個人が任意で加入することができる私的年金(企業年金、個人年金)があります。

年金の分類

公的年金

…国民全員が加入する国が管理・運営する年金

→国民年金/厚生年金

国が法律に基づいて運営する年金で、「国民年金」「厚生年金」などがある。保険料だけでなく、国庫負担金を投入して運営されているのが特徴で、高齢者の生活を支えている。

個人年金

…個人が任意で加入する民間企業の年金

→民間の個人年金

民間の保険会社が運用する年金。高齢になったときの金銭的なリスクに備えられるうえに、保険料が控除されるので節税対策になる。

企業年金

…会社の運営なので有無は企業による

→確定給付企業年金

企業が社員向けに設けた年金。すべての会社が設けているわけではない。運営は、委託された保険会社などが行う。

2種類の公的年金

国民年金…現役世代は全員加入

日本に住む20~60歳のすべてが加入する年金。働き方などによって第1~3号被保険者に分類される。10年間加入していれば受給資格が得られ、長く加入するほどもらえる年金額が増える。

会社員でも自営業でも加入できる

厚生年金…保険料は会社と折半

すべての会社員・公務員などが加入する年金。正社員でなくても正社員並みの勤務時間があれば原則加入する。加入して1カ月で受給資格が得られ、加入期間が長かったり、支払う保険料が多かったりするほどもらえる年金が増える。

自営業者などは加入できない

公的年金は2階建て

厚生年金加入者は、国民年金にも加入するため、ベースとなる年金額に厚生年金分をプラスした金額を受給できる。

●Question2:自分はどの年金形態でどれくらいもらえるの?

ANSWER:大きく分けて3種類。もらえる年金額は厚生年金が多い

年金の基本となる「公的年金」ですが、自分や家族の働き方によって、加入する形態は3種類に分けられます。

ひとつ目の区分が、「第1号被保険者」。フリーランスや自営業者、仕事についていない人などが該当します。国民年金に加入し、毎月1万6610円(令和3年度)を納めると、原則65歳から老齢基礎年金が受け取れます。40年間納めた場合は月約6万5000円を亡くなるまで受け取ることができます。

会社員や公務員などは、「第2号被保険者」に分類され、国民年金に加え、厚生年金に加入します。保険料は月給の約18%ですが、会社と折半するため、自己負担額は半分に。勤務している限りは70歳まで加入可能で、支払い金額が大きく、期間が長いほど多くの年金が受け取れます。厚生年金に40年加入した場合は月約9万円の給付となり、国民年金とあわせて約15万5000円の毎月支給に。

第2号被保険者の扶養家族である配偶者は、「第3号被保険者」になります。国民年金に加入しますが、配偶者の加入する保険制度が代わりに負担するため、保険料を支払う必要はありません。加入可能期間や支給年金額は第1号被保険者と同じです。

年金の加入者は3種類に分けられる

※会社員からフリーランスになるなど、途中で変わることもある

第1号被保険者

フリーランス、自営業、20歳以上の学生など、第2,3号に当たらない人

保険料:月1万6610円

※加入可能期間は60歳まで(それ以降の任意加入制度あり)

もらえる年金

老齢基礎年金 約6万5000円

 

第2号被保険者

会社員・公務員、私立学校の教職員など

保険料:月給の18.3%

※会社と折半。退職まで加入可能(最長70歳)
※第2号被保険者の場合、給与に応じて保険料が増えるが、その分もらえる年金も多くなる

もらえる年金

老齢厚生年金 約9万円(標準例)
老齢基礎年金 6万5000円

 

第3号被保険者

第2号被保険者に扶養されている配偶者

保険料:なし

※配偶者が働いている間
※60歳まで加入可能

もらえる年金

老齢基礎年金 約6万5000円

老後の生活保障となる年金制度。しっかりと学び、老後の蓄えとして活用しましょう。

※記事内の具体的な金額表記は、書籍発売時の2022年3月時点のものです

泉美智子

子どもの環境・経済教育研究室代表。公立鳥取環境大学経営学部准教授(2018年3月まで)
全国各地で「女性のためのコーヒータイムの経済学」や「エシカル・キッズ・ラボ」「親子経済教室」など講演活動の傍らテレビ、ラジオ出演も。環境、経済絵本、児童書の執筆多数。『節約・貯蓄・投資の前に 今さら聞けないお金の超基本』(朝日新聞社)、『学校では教えてくれなかった 社会で生きていくために知っておきたい知識』(KADOKAWA)などを監修。

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