ライフスタイル

暖房器具を上手に使って電気代を抑える!冬の電気代節約メソッド

目次

エアコンや電気ストーブ、こたつなど、寒い冬を乗り切るためには暖房器具は必須!

賃貸住宅だと電気代のあまりかからないガスファンヒーターや灯油ストーブを使えず、どうしても電気器具に頼らざるを得ない場合も。だからといって、何も考えずにエアコンをつけっぱなしにしていると電気代が跳ね上がり、昨今の物価高で苦しいお財布がますます苦しく…。

そうならないための冬の電気代節約メソッドを消費生活アドバイザーの和田由貴さんに聞きました。冬の寒さをしっかりしのぎながら、電気代を安く抑えるハウツーは?

電気代が高くなる一番の原因は暖房器具の使用

一般家庭で使用される電気の使用量の中で、特に夏と冬に大きな比重を占めるのはやっぱり暖房器具。

「夏と冬は、ひと月にかかる電気代の中で、エアコン、冷蔵庫、照明器具の3つにかかる電気代が全体の6、7割を占めるという統計があるんです。さらに水が温まるまで時間がかかる冬場は、給湯にかかる電気代も高くなります。少しの工夫で誰もができる節約メソッドで、冬の光熱費を少しでも安く抑えましょう」(和田さん)

窓からの冷気をシャットアウト!カーテンの使い方

隙間風が入ってきたり、窓ガラスから冷気が伝わってくるような“冷える”環境の部屋だと、どれだけエアコンなどの暖房器具を使っても部屋を暖かく保つことは難しいです。

窓ガラス1枚に熱伝導率の高い=冷気も伝わりやすいアルミのサッシという一般的な窓周りだと、外からどんどん冷気が部屋に入ってきてしまいます。北海道などの北国では二重サッシでかなりの冷気が防げますが、賃貸住宅では窓のリフォームをするわけにもいきません。どうやって冷気対策すればいいでしょう?

「一番簡単な対策方法は、カーテンを変えること。冬は厚手のカーテンにするか、レースのカーテンではなくもう1枚普通のカーテンを掛けて二重カーテンにすると部屋の防寒にかなりの効果があります。その場合、カーテンの丈は長い方が効果的。冷たい空気は下の方にたまるので、カーテンの丈が短いと裾の方から冷気が部屋の中に入ってきてしまいます。それを防ぐために、冬のカーテンは窓枠より長くなっても床スレスレまでの長さにするのがおすすめです」(和田さん)

とはいえ、カーテンを買い替えるにもお金がかかるのでは?

「丈が足りない場合は大きめの布を安全ピンなどで足す、カーテン裾と床の間にクッションなどを置いて隙間を作らないようにするなど、小さな工夫で大丈夫。100円ショップにも貼るタイプの断熱パネルなど、窓まわりの冷気を防ぐグッズがたくさん出ているので活用するのもいいと思いますよ」(和田さん)

電気代が最も節約できる暖房器具は?

1つの熱源で1カ所しか温められないハロゲンヒーターやカーボンヒーターなどの電気ストーブが、一番電気代が高くかかります。逆に、コストパフォーマンスがいい暖房器具は、実はエアコン。

「温風を対流させて部屋全体を温めるので「1の電気で7倍の熱が出る」といわれ、電気ストーブを長時間使用するより電気代が安上がりです」(和田さん)

ただし、エアコンは立ち上がりに電気代が一番かかるので要注意!

「自動車がアクセルを踏み込む時にガソリンを使うのと同じように、エアコンも立ち上げてすぐが一番電気を消費するんです。エアコンを立ち上げる時にファンヒーターやオイルヒーターを併用する、窓からの冷気対策を徹底して部屋の保温を万全にするなど、なるべく早く部屋全体が温まるようにしましょう」(和田さん)

また、ハロゲンヒーターやカーボンヒーターなどの電気ストーブは、逆に立ち上げに時間がかからずすぐに温まるのが長所。

「トイレやお風呂の着替えスペースなど、短時間だけ温まりたい場所に使うと効率的です」(和田さん)

サーキュレーターを使って温風をコントロール

エアコンを使う時に、まず気を付けるのは風向き。暖気は部屋の上部にたまり、冷気は下部にたまる性質があるので、エアコンで暖房を使う時には、必ず風向きを下向きに!

「それでも暖かい空気は自然と上にたまってしまいます。サーキュレーターを併用して部屋の空気を循環させると、さらに効率的に部屋全体が暖まりますよ」(和田さん)

また、エアコンのせいで部屋が乾燥しすぎないようにするのもお忘れなく。

「夏場は同じ気温でも湿度が高いとより暑く感じるもの。それは冬も同じです。湿度を20%上げると体感温度は4度上がるといわれています。部屋に温湿度計を置いて、人にとって快適とされる40〜60%の湿度に保ちましょう。それだけで乾燥した部屋より暖かく感じられます。加湿器がなければ、洗濯物を部屋干しにするだけでも湿度を上げることができますよ」(和田さん)

電気代の節約には、エアコンのフィルターのお手入れも重要。

「エアコンのフィルターにほこりがたまったまま1年間掃除をしていないと、掃除をしているエアコンよりも25%も余計に電気代がかかるというデータがあります。定期的にフィルター掃除をするだけで、電気代が安くなりますよ。最低でも2週間に1回はほこりを取ってキレイにしましょう」(和田さん)

1人で過ごすなら伝導式の暖房アイテムがおすすめ!

一人暮らしや一人で過ごすことが多い人は、電気毛布やホットカーペット、電気ひざ掛けなど。熱に触れさせて温める伝導式の暖房器具を使うことも節約の一端に。

「温める範囲はピンポイントですが、電気代が安いのでエアコンでムダに部屋全体を温めるよりもかなり節約になります。最近は一人サイズのホットカーペットやポンチョ型ベストなど、さまざまなアイテムが登場しているので用途に応じて使うと節約になりますよ」(和田さん)

昔ながらのこたつや湯たんぽは節約になる?

昭和の時代から連綿と使われてきた暖房器具、こたつや湯たんぽを長年愛用している人も多いかも。これらは電気代の節約になる?

「こたつは温める範囲は限られますが、消費電力はエアコンの約1/3と安上がり。エアコンをあまり併用せず、こたつだけで十分暖が取れる生活スタイルなら、部屋の感想も防げますし、おすすめの暖房器具です」(和田さん)

一方、昔ながらのお湯を入れるタイプの湯たんぽは、節約の観点からはおすすめできないアイテム。なぜなら、お湯を沸かすための電気代がかかるから。

「電気あんかを24時間つけっぱなしにするよりも、お湯を1回沸かす方が電気代がかかるんです。かつては石油ストーブなどの上に直接水を入れた鉄製の湯たんぽを置いて、温めて使っていたので効率的だったアイテムですが、今はそういうストーブを使う家庭は激減しましたからね。その代わり、現代は蓄熱式・充電式のエコな湯たんぽが登場しているので活用してみては」(和田さん)

電気代高騰の今、暖房器具を上手に使って、暖かく過ごしましょう。

取材・文=本嶋るりこ
写真:PIXTA

教えてくれたのは

和田由貴

消費生活アドバイザー、省エネ・脱炭素エキスパート、家電製品アドバイザーなど、暮らしにまつわる専門家として幅広く活動。「節約は、無理をしないで楽しく!」をモットーに、快適と節約を両立したスマートで賢い節約生活を提唱している。

共有

最新記事

人気の記事

カテゴリ

TOP