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【週末エンタメ】『ドクター・ストレンジ』最新作でも描かれる!今後のマーベル作品を楽しむために知っておきたい“マルチバース”って何?

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2008年の『アイアンマン』から始まり早14年、アメコミ映画人気をけん引し続け、今や世界で最も成功した映画シリーズとなった“MCU”ことマーベル・シネマティック・ユニバース。現在公開中の『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』でシリーズ28作目を数え、最近ではドラマシリーズも物語に絡んでくるなど、ますます盛り上がりを見せており、そこにはユニバースと呼ぶにふさわしい壮大な世界が広がっている。

より作品の結び付きが重要になっている今のMCU。その中でキーワードとなっているのが、“マルチバース”だ。『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』のタイトルにも含まれるこのマルチバースとはどんな概念なのだろうか?

アメコミとの相性抜群なマルチバースという考え方

マルチバースの世界観が独特のサイケデリックな映像美で表現されていく (C) Marvel Studios 2022

マルチバースを日本語に置き換えると「多元宇宙」という言葉が当てはまる。これは自分たちが暮らしている宇宙以外にも、無数の宇宙が並行して存在しているという、いわばパラレルワールドのような考え方だ。

アメコミは、物語やキャラクターを作者がイチから考える日本の漫画と違って、その世界観の権利を出版社が持っているため、さまざまな作者が既存のキャラクターを用いておのおの物語を紡いだり、時代によってシリーズがリセットされたりということが当たり前。ひとつのキャラクターをとっても多数の作品、シリーズが存在するアメコミ自体が、そもそもマルチバース的なものなのだ。

並行する世界には、それぞれおなじみのキャラクターが存在しているが、名前は同じでもその特徴は大きく異なっていることも。例えば、時間軸の分岐を題材にマルチバースの存在が明らかにされたドラマシリーズ「ロキ」では、トム・ヒドルストン演じるロキから、女性版ロキ、子どものロキ、ワニのロキまで、さまざまな特徴を持つロキが登場した。

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』で本格的に開かれたマルチバースの扉

宇宙と他の宇宙をつなぐマルチバース。この考え方に本格的に踏み込んでいったのが『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』へとつながっていくMCU第27作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』でのこと。

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』では、思わぬ事態を招いてしまったドクター・ストレンジ (C) Marvel Studios 2022

スパイダーマンであることが全世界にバレてしまったピーター・パーカー(トム・ホランド)は、近所に住む魔術師ドクター・ストレンジに、禁断の呪文で正体を知られたことを取り消してもらおうと嘆願。渋々その願いを聞き入れたストレンジだったが、あろうことか呪文を失敗してしまい、並行宇宙へとつながる未知の扉を開いてしまうことに…。

この作品では、その結果として過去の『スパイダーマン』のヴィランたちがMCU版『スパイダーマン』の世界に集結。さらにはトビー・マグワイア版とアンドリュー・ガーフィールド版のスパイダーマンふたりも登場するという衝撃的な展開で、過去の映画シリーズ(すなわち他のユニバース)とのリンクが繰り広げられた。

マルチバース的観点から見る『ドクター・ストレンジ』最新作の注目ポイント

ウォンや新キャラクターのアメリカ・チャベスらと共に脅威に立ち向かうが… (C) Marvel Studios 2022

『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』は、そんな大騒動後を舞台に、事態を収拾しようとする、ドクター・ストレンジの奮闘が描かれる。

時間と空間を変幻自在に操る魔術の中でも、最も危険とされる禁断の呪文によって、“マルチバース”と呼ばれる謎に満ちた狂気の扉を開いてしまったドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)。何もかもが変わりつつある世界を元に戻すため、かつてアベンジャーズを脅かすほど強大な力を見せたスカーレット・ウィッチことワンダ(エリザベス・オルセン)に助けを求める。

しかし時すでに遅し、彼らの力だけではどうすることもできない恐るべき脅威が人類に迫っていた。さらに驚くべきことに、その脅威とはドクター・ストレンジとまったく同じ姿をしたもうひとりの自分だった…。

ワンダが主役のドラマシリーズ「ワンダヴィジョン」でもマルチバースについてほのめかされた (C) Marvel Studios 2022

サム・ライミ監督がメガホンを握っており、ダークかつホラーテイストな物語が繰り広げられる (C) Marvel Studios 2022

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』で描かれたように、マルチバース化によって他のマーベル映画シリーズとのリンクが可能となった今、MCU以外のマーベル映画シリーズがMCUに合流する可能性も大きく高まっている。

『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』でいえば、「X-MEN」のプロフェッサーX、「ファンタスティック・フォー」のミスター・ファンタスティックらが名を連ねる最強のヒーローチームで、コミックスでは地球を守るために秘密裏に活動している“イルミナティ”と呼ばれる組織が登場するのか?というのが大きな注目のポイント。

今後のMCUの方向性を決定づけるという意味でも重要な1作であることに間違いはない (C) Marvel Studios 2022

もともと「X-MEN」と「ファンタスティック・フォー」は、20世紀FOXが映画化してきたため、長年MCUと交わることは困難だと思われていた作品だが、MCUの権利元であるディズニーがFOXを傘下に加えたこと、そしてこのマルチバース化によってグッと合流の可能性がアップしている。本作はその足掛かりとなるのかという点でも重要な1作なのだ。

今後のMCUでも重要な役割を果たすと思われる新キャラクターのアメリカ・チャベス (C) Marvel Studios 2022

なお、ミズ・アメリカことアメリカ・チャベス(ソーチー・ゴメス)という次元を自由に移動する能力を持つ新キャラクターが登場することからも、今後、マルチバースの考え方が主流となっていくと思われるMCU。とてつもない可能性を秘めているが、一方でより複雑化していくだけに、今後のMCUについていくためにも、今のうちにしっかりと理解しておきたいところだ。

文=ケヴィン太郎

インフォメーション

『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』

2022年5月4日(水・祝)より全国ロードショー
https://marvel.disney.co.jp/movie/dr-strange2.html

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