新生活・引越し

すっきりとした新生活を!~引越しは「物を手放す」絶好のチャンス~

目次

春に続いて“第二の引越しシーズン”ともいわれる秋。9~10月は転勤が多く物件の動きが激しくなるため、ねらい目の優良物件に思わぬ空きが出ることも。引越しを検討している人にはおすすめの時季でもあります。

新生活にあたり、部屋にあふれるあんな物こんな物を「すっきり片付けたい!」と思っている人は多いのではないでしょうか。じつは引越しは「物を手放す」絶好のチャンスでもあるんです。今回は片づけアドバイザーの石阪京子さんに、“引越し片付け”の極意をお伺いしました。

STEP1:間取り図を確認して収納スペースをしっかり計測

「今ある物を減らして新居ですっきりと暮らすには、まず引越し先の収納スペースがどれだけあるか、その数と広さをしっかり把握することから始めます」と石阪さん。

新居が決まったらまず間取り図を見ながら、誰のものをどこにしまうのか決めていきましょう。寝室、子ども部屋など部屋割りをして個人の“枠”を決めたら、クローゼット、キッチンのキャビネット、玄関のシューズボックスなど、各部屋の収納スペースをチェック。縦、横、奥行きの長さもきちんと測っていきます。

「契約後、新居を再訪してメジャーで正確に測るのがベスト。もし遠方の場合は、不動産屋さんにお願いすれば測定して教えてくれることもありますよ」(石阪さん)

新居の収納スペースを把握することは、「よくわからないからとりあえずいまある物は全部持っていく」という最悪の事態を避けるためにも絶対に必要なステップ。間取り図を何度も見て、収納イメージをしっかりシミュレーションしていきましょう。

STEP2:収納量の7割を目指して物を仕分けていく

新居の収納スペースの状態が把握出来たら、それぞれの収納の容量の“7割”を目安に、新居に持っていく物を厳選していきます。

「たとえば新居のクローゼットに服が50枚収納できそうなら、50枚びっちりとしまいこむのではなく、その7割の35枚を目指して。キッチンのキャビネットにしまう食器、子どものおもちゃなども同様に、収納の7割にしまえるぶんだけを新居に持っていくつもりで、片づけを始めていきましょう」(石阪さん)

最初から収納の10割量の物を持って行ってしまうと、引越し後に新たに買い足した物たちの行き場がなくなってしまいます。収納の7割からはみ出す物は、引越しまでに“売る、あげる、捨てる”などの方法で手放していきます。

「物のあるべき場所を決めることも大切。おもちゃ類は子ども部屋に、夫婦の服は寝室にきちんとしまい、リビングなどみんなが集うパブリックスペースには収納しないこと。すっきり暮らすためのセオリーです」(石阪さん)

STEP3:まずは“大きな物”から手放して

新居決定後、引越しまでの期間は平均で1カ月ほど。スムーズに準備を進めるには、大きな物から手放していきましょう。

「いま愛用しているダイニングテーブルやソファ、ベッドなどの大きな家具を、新居でどのように配置するか、間取り図を見ながらシミュレーションしていきます。わたしの生徒さんのなかには、ソファが大きすぎて新居のリビングのサイズに合わず、処分するまでとりあえず部屋の中に立てかけて置いていた方も(笑)。引越したその日から快適に暮らすためにも、持っていく家具と手放す家具は最初に決めてしまいましょう」(石阪さん)

たとえば「本が多すぎて困る」という人は、いまある本棚の数を減らしたり、大きい本棚から小さい本棚に買い替えるのも手です。

STEP4:手放すときは“売る・あげる・捨てる”の3つの手段で

手放す物を決めたら“売る、あげる、捨てる”などの方法で処分をしていきます。

「引越しまで約1カ月。家具など大きな物や、服や子どものおもちゃで比較的状態がよいものは、リサイクルショップに売ることを検討しましょう」(石阪さん)

ただし忘れてはならないのは、引越しに向けてのタイムリミット。「○月○日までにリサイクルショップに持っていく」ときちんと期限を決め、引き取ってもらえなかったものは知人にあげる、または捨てる、といった手順で引越しまでに手放していきましょう。

STEP5:物への執着を手放すには勇気も必要!

いざ手放す段階になったとき「もったいない」「あとで後悔しないかな?」と、なかなか行動に踏み切れないことも。

「じつは“捨てたいのに捨てられない”と、前に進めず苦しんでいる人は少なくありません。執着を手放すことは勇気がいること。でも快適な暮らしは、空間・時間・自由というかけがえのない物をもたらしてくれます。一歩踏み出したい方は、具体的なゴールをイメージしてみましょう」(石阪さん)

たとえば、すっきりと片づいたリビングでコーヒーを飲んでいる自分の姿、物の少ない部屋でロボット掃除機を稼働させている様子、整理整頓されたキッチンでスムーズに料理をしている様子など、理想とする暮らし方を思い浮かべてみます。

「同じように片づけで悩んでいる方たちと、仲間になるのもいいですね。最近ではSNSで片づけの様子をアップしている方もいます。みんなが頑張っているから私も……!と、勇気をもらえますよ」(石阪さん)

引越し前に物を手放せば、新居に移ってからの後片付けもスムーズ! 物を減らすことは、暮らしやすさ、家事のしやすさにつながり、心に余裕も生まれます。いいことづくめの“引越し片づけ”、ぜひチャレンジしてみてください。

取材・分=植木淳子

教えてくれたのは

石阪京子

片づけアドバイザー。宅地建物取引士。不動産経営者として家づくりに携わるなかで、片づけや家事、暮らしにくさに悩む人たちに寄り添う“片づけレッスン”が評判に。ブログ『片付けの向こう側』で片づけの知恵を紹介するとともに、オンラインでも定期的に講座を開いている。著書多数。近著に『実家片づけ「介護」「看取り」「相続」の不安が消える!』(ダイヤモンド社)

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