ストレッチのプロに聞く!朝夜たったの5分で続けやすいストレッチ法
ぐっと冷え込む冬本番。外に出るのがおっくうで運動不足になりがちな上、気温が低いと血の巡りも悪くなり、体はどんどんカチコチに。そのせいでひどい冷えやコリに悩まされることも多いはず。そんなお悩みを解決すべく、朝晩たった5分間でOKの簡単ストレッチ法をストレッチ専門店「STRETCH HERO」のトレーナーが伝授!血流を促して体を温め、さらにリラックス効果もあるストレッチで、冬の体のお悩みを解消しよう!
「ストレッチの効果は、体の柔軟性の向上、関節可動域の向上、血行の促進です。そのことがコリの解消や、肩や腰などの慢性痛の解消につながっていくのです」と「STRETCH HERO」のトレーナーさん。
ストレッチには運動前に行う動的なストレッチと、リラックス効果や疲労回復を求めて行う静的なストレッチとの2種類があります。冬の冷えやコリにはおうちで無理なくできるストレッチを行いましょう。正しい姿勢の維持やけがの予防にもつながる上、血管も柔らかくなるので動脈硬化のリスクが高い人にもおすすめです。
ストレッチによる効果をより実感するには、週に1回1時間など、まとまった時間でやるよりも、たとえ数分だけでも毎日続けた方が効果的。カチカチになった体を柔らかくしたいのなら、少なくとも週3回以上を習慣化することが理想です。
ストレッチをしている間は呼吸を止めないことが大事。脱力した状態の時に体を伸ばすと、より体が柔らかくなりやすいです。逆に呼吸を止めると力んでしまい、体の中のセンサーが働いて縮み込もうとしてしまいます。
静のストレッチの場合は、勢いを付けて反動させる動きではなく、ゆっくりとした動きを意識しましょう。伸ばす時間は1箇所につき20〜30秒が最適。単なるリラックス効果だけでなく、肩コリや腰痛の緩和などの目的を持ってやる場合には、気持ちがいいからと長くやる必要はありません。
ストレッチをする時は、ちゃんと正しいフォームを調べて、それにのっとって行ってください。なんとなくの自己流でストレッチすると、伸ばす方向や形が少し違って、意図した筋肉とは違う箇所が伸びてしまっていたり、十分に伸びていなかったり。最悪の場合は筋肉を痛めてしまう可能性もあります。
毎日の習慣付けが理想なので、ストレッチを行う時間はやりやすい時ならいつでもOK。
朝の起き上がる前、布団の中でストレッチすると、習慣付けしやすくなるので特におすすめです。体温は寝ている間に下がるので、目覚めてすぐのストレッチで体をゆっくり動かすことで血流を促し、体温を上げることでスッキリ目覚めることができますよ。
夜間にストレッチするなら、こちらもまた寝る直前の布団の中で習慣付けするといいでしょう。筋肉は体が温まっている時が伸びやすいので、お風呂から上がって45分以内だと理想的。お風呂から上がってすぐや運動後の場合は、十分に水分を取ってからストレッチをしましょう。
反対に、食後30分は避けましょう。消化のために内臓に血液を集めたいのに、ストレッチで体を動かすことで筋肉にも集まってしまうので消化不良を起こしてしまう場合があります。
まずは、ゆっくりした動きの静的ストレッチから始めましょう。
布団に寝た状態で、そのまま手足をまっすぐに伸ばして伸びをしながら、できるだけ深い呼吸を2〜3回しましょう。時間にして20〜30秒くらい。ストレッチしながら呼吸をすることで、まずは血流を促します。
上記のストレッチで血行を良くしたら、続けて行うのは体にスイッチを入れるための動的ストレッチです。
あおむけに寝た状態で両膝を立て、その膝を5往復くらい左右にパタンパタンと動かします。腕は真横に広げて楽な状態に。体をねじる軽い運動をすることで、全身の血の巡りをさらに良くします。
朝は動的ストレッチを行うことで体のスイッチを入れていく
夜のストレッチは、一日の体の疲れを取るのが目的です。
まずは、むくんだり冷えたりして、疲労物質もたまりやすいふくらはぎから。
ふくらはぎに行うのは、ダイレクトストレッチと呼ばれる、筋肉を直接指で押さえて伸ばす方法です。親指の平で筋肉を押して3秒キープしたら離すということを、ふくらはぎの内側5カ所のポイントで3回ずつ繰り返します。 筋肉は温まっている方が伸びやすいので、湯船に漬かりながらやるのも効果的です。
痛気持ちいいくらいの強さで、下から上に押していく
眠りに入る前におすすめなのは、腹式呼吸をすることで体をリラックスさせるストレッチ法です。
あおむけに寝た状態で片膝を抱えます。もう片方の脚は伸ばしても立ててもどちらでもOK。その体勢のままで、深呼吸を3回、30秒程度行います。これを3セット行うのが理想です。
お尻周りのストレッチで、副交感神経を優位にさせる腹式呼吸が自然にできるのでリラックスにもつながります。ストレッチで正しい呼吸法である腹式呼吸に戻して、体の筋肉が疲れて硬くならないように予防しましょう。また、腹式呼吸することで自律神経が整って、睡眠に入りやすくなるので一石二鳥のストレッチ法なんですよ。
今回ご紹介した簡単なストレッチから習慣化して、すっきりとした気持ちで一日を過ごしましょう!
取材・文=本嶋るりこ
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STRETCH HERO
全国で9店舗展開のストレッチ専門店。業界最大手のストレッチ専門店「Dr.stretch」の技術顧問を務める田中裕樹の監修した技術で、美しく健康的な体をつくるために、カイロプラクティック、東洋医学の知識と技術を組み合わせて「筋肉・内臓・神経・関節・血流」の調整が出来る、こだわりのストレッチを提供。研修プログラムをクリアしたトレーナーが理想の体をつくるためのサポートを行っている。