掃除・収納

秋にこそやっておきたい!大事な本を守るための“本棚の”ラクラク掃除法

目次

読書の秋が到来!本を読みふけるその前に、本棚の汚れは気になりませんか? 定期的な掃除をなまけていると、本が汚れるだけでなく、虫が発生して大事な本が台なしになってしまう危険性も…。本棚をキレイにする絶好のタイミングでもあるこの時期に、お掃除のプロ・大津たまみさんに本棚掃除のテクニックを教わりました!

なぜ秋に本棚を掃除するといいのか?

本の虫食いの原因である紙魚(しみ)という虫。本棚に1cmくらいのサイズの銀色で光沢がある虫がいたら、それが紙魚です。この虫が活発に活動するのは夏で、それが落ち着いてくる秋は、害虫退治に適したシーズン。虫の卵や幼虫も取り除いて、次シーズンに備えましょう。

また、湿度が高い夏は紙の劣化やカビの発生を招き、空気が乾燥する冬は紙が破れやすくなるのに対し、秋は気候の面でも本棚掃除にちょうどいい季節です。積もったホコリをブラシでしっかり払うことができます。

「ほかにも、年末の大掃除前に整理整頓をするという意味でも、秋は本棚掃除のよきタイミングです。掃除をしながら、必要な本と不要な本とを選り分けましょう」(大津さん)

【本棚の掃除法①】まずは必要なものを準備しよう!

本棚の掃除に取り掛かる前に、まずは必要なものを準備しましょう。必須アイテムは、以下の7つの道具です。

・マイクロファイバークロス
・J字型のブラシ
・大きめのメイク用チークブラシ
・中性洗剤
・ノズル付きの掃除機
・タオル
・床の保護シート

「本棚から本を取り出して整理するのに十分な作業スペースを確保しましょう。本は重みがあるので、床を傷つけないよう保護用のシートを敷くこともお忘れなく」(大津さん)

【本棚の掃除法②】本を取り出しながら整理・分類する!

次に、背表紙を傷つけたり、帯が破れないように注意しながら、本棚から本を取り出します。

取り出した本はまず、いる/いらない/迷い/移動に分けて、さらに、いる本はカテゴリーになどよって分類して、保護シートの上に並べていきます。

「『料理』『ビジネス』『趣味』『漫画』など、自分が持っている本をカテゴリーによって分類するのがおすすめです。大量に蔵書がある場合は、書店のように『ミステリー』『純文学』『SF』『新書』などジャンル別で整理するとわかりやすいですよ。一方いらない本は処分し、迷った本はいったん箱などにしまい、半年後に必要かどうかを再検討します。移動とした本は別の場所で保管するようにしましょう」(大津さん)

【本棚の掃除法③】乾いたホコリを取ってから水拭きする!

 本棚を拭く際に、いきなり濡れた雑巾を使うのはNG! まずは乾いたホコリなどの汚れをノズルの付いた掃除機で吸い取り、棚段の角などの細かい汚れは乾いたまま、歯ブラシをJ字に折り曲げるなどしたJ字型のブラシで掻き出します。

ホコリを除去し終わったら、中性洗剤を溶かしたぬるま湯にマイクロファイバークロスを浸して絞り、それで本棚全体を拭きます。そのあとに濡れタオルで水拭きをして、最後に乾拭きをします。

なお、水分はカビの原因になるので、しっかり乾くまで本をしまわないことが肝心です。

「本棚を乾かすには、扇風機を使うと手早いですよ。また、本をしまう前に、本そのものに付いた汚れもしっかり落としましょう。本の上に積もったホコリは、大きめのメイクブラシを使うと表面だけでなく、溝に詰まった汚れもキレイに落とせますよ。床用のドライシートで拭き取るのもおすすめ。ビニールカバーは、中性洗剤を浸して絞ったマイクロファイバークロスで汚れを拭き取り、水拭き、乾拭きして乾かします」(大津さん)

【本棚の掃除法④】除湿シートを棚に敷いておく!

さらにカビ予防のため、本を戻す前に、棚に防カビ剤入りの除湿シートを敷いておきましょう。

「紙はニオイを吸収しやすいので、本のニオイ=部屋のニオイになります。また、カビはニオイの原因になりますから、本がカビると部屋がカビ臭くなる原因に。そうならないように予防することが大切です」(大津さん)

【本棚の掃除法⑤】虫がいないかチェックしてから本棚へ!

ページをパラパラめくって紙魚が挟まっていないか最終チェックをしてから、本を本棚に戻しましょう。戻すときは、カテゴリーやジャンルで分類したとおりに整理して並べていきます。

「見た目をキレイにしたいなら、本の高さを揃えるようにするといいですよ。本棚をキレイにキープするためには、読まない本は溜め込まないというのが鉄則。『本の賞味期限は1年』と決めて、不要な本は定期的に処分しましょう。できれば本棚は、春と秋の半年毎に1回、少なくとも年に1回は掃除しましょう」(大津さん)

【汚れ予防法①】カビやホコリが発生しにくい場所に配置を

本棚の掃除をラクにする工夫として、収納テクニックを使って本棚にホコリを積もりにくくする方法があります。

例えば本棚の配置。壁から少し離して本棚を置けば、湿気がこもりにくくなり、カビやホコリの発生を防ぐことができます。また、窓やドアの近くなどホコリが積もりやすい場所への本棚の設置は避けましょう。本棚にホコリが入りこまないように、扉付きの本棚にするというのも一つの方法です。

「ハンディモップを本棚の横に常備して、ちょっとした時にホコリを払う習慣をつけるといいですよ。それだけで、本棚の大掃除がグッと楽になります」(大津さん)

【汚れ予防法②】棚にホコリが積もらないよう工夫する!

ブックエンドを活用するなどして隙間を作らないよう本を並べれば、ホコリが積もるスペースが減り、掃除がラクに。本棚の容量を把握して、1冊買ったら1冊捨てなど本棚にピッタリ収まる量に本をキープすれば、さらにホコリが積もりづらくなります。

本にビニールカバーをつけるのもおすすめです。反対に、横積みにするとホコリが積もりやすくなるので、必ず立てて入れること!

「本棚の近くに空気清浄機を置くと効果抜群ですよ。また、本棚の上にフィギュアなどモノを飾る人がけっこういますが、ホコリの原因になる紙の近くに置くことでフィギュアの細かな部分に汚れが詰まってしまうのでおすすめしません」(大津さん)

本棚の整理は、いわゆる"積ん読”の蔵書を「手放す前に読み返しておこう」と、改めて読む機会にもつながります。

「一冊一冊に詰まった思い出と知識をもう一度味わいながら、本棚を整理してみませんか? あなたの生活もきっとスッキリきれいになりますよ」(大津さん)

取材・文=本嶋るり子 イラスト=ヨシカワミノリ

教えてくれたのは

大津たまみ

1970年生まれ、愛知県出身。一般社団法人日本清掃収納協会会長。株式会社アクションパワー取締役会長。一般社団法人生前整理普及協会代表理事。清掃収納マイスター1級認定講師のほか、ジュニア片付け収納マイスター認定講師、風水師の資格も。「お掃除お片づけ」のプロとして30年以上のキャリアを持つ清掃業界のカリスマ的存在。年間200本以上の講演のほか、テレビ・雑誌・ラジオなどで片づけや掃除法を伝授する

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