掃除・収納

新生活の第一歩!快適な住まいをつくるために揃えておきたい掃除道具

目次

進学や就職、引越しなど、新生活が始まるこの季節。快適な住空間を整えるために欠かせない掃除道具について、掃除とお片付けのプロ・大津たまみさんに改めて教えてもらいました。最低限必要な道具や正しい使用方法、使い分け、道具選びのポイントなど、知っているようで知らなかったことが盛りだくさんです!

【お掃除エリア1】リビング・寝室

まずは、家の中心であるリビング・寝室の掃除道具についてです。必要なのは、マイクロファイバークロス、ハンディーモップ、フローリングワイパー、掃除機の4つ。「家の掃除の基本となる必須アイテム」と大津先生が話すその4点セットについて、順に詳しく見ていきましょう。

●マイクロファイバークロス

極細繊維で作られたマイクロファイバークロスは、高い吸水性、吸油性、洗浄力を持ち、家の掃除に幅広く活用できる優れものです。

「私たちプロは、拭き掃除には雑巾ではなく、マイクロファイバークロスを使います。拭き跡や拭きムラが残りにくく、繊維も落ちにくいのでとても便利なんです」(大津さん)

そんなマイクロファイバークロスは、リビング・寝室では特に窓ガラスの掃除でその力を発揮します。

「湿らせたマイクロファイバークロスで汚れた場所を拭き取り、その後、乾いたマイクロファイバークロスで全体を磨き上げるだけで、かなりきれいになります。2枚用意しなくても、クロスの半分だけ湿らせ、残りを乾いた状態にしておけばOKです」(大津さん)

●ハンディーモップ

ホコリを吸着し、静電気の力で細かい汚れも絡め取るハンディーモップは、家具や家電の隙間、棚の上下、照明器具など、手が届きにくい場所の掃除に重宝します。毎回洗う必要がないため、気づいたときにサッと使えるのも便利です。

「これも必需品です。ハンディーモップは柄の部分が伸縮するタイプだと、照明器具のような高所の掃除が簡単にできて良いですね。さらに、ヘッドの部分で角度調整ができるタイプなら、家具の隙間やテレビ裏などの狭い場所も掃除できて便利です」(大津さん)

●フローリングワイパー

軽量で操作しやすく、シートが使い捨てでお手入れが簡単なフローリングワイパーもマストアイテム。ドライシートとウェットシートの両方を用意しておきましょう。

「床の掃除方法は、リビング、キッチン、廊下も同じです。フローリングの場合、まずフローリングワイパーのドライシートでホコリやゴミを大まかに取ってから、掃除機でフローリングの溝などに残ったゴミを吸い取ります。掃除機だけで済ませようとすると、掃除機内にあっという間にゴミが溜まってしまい、メンテナンスが大変です」(大津さん)

その後、こびり付いた汚れや油汚れをウェットシートで取り除きます。

「床全体を水拭きするのは大変なことです。日常の掃除では少し手を抜いて、ウェットシートは汚れが目立つ部分だけに使う程度でいいかと思います」(大津さん)

●掃除機

高い吸引力で広い範囲を短時間できれいにできる掃除機。掃除のメインアイテムであり、さまざまな機種や機能のものが店頭に並んでいますが、どのように選べばよいのでしょうか。

「好みにもよると思いますが、キャニスター型(コード付き)かスティック型(コードレス)なら、スティック型をお使いのご家庭が多い印象です。キャニスター型は吸引力が強い点が長所ですが、床や巾木を傷つけやすいのが難点です。最近では、スティック型でも吸引力が十分あり、使い勝手がいいかなと思います」(大津さん)

機能面では、サイクロン式がおすすめ。

「サイクロン式はゴミ捨てが楽ですよね。紙パック式は清潔を保てるのでアレルギーの方にはいいのですが、ゴミ捨てが面倒なうえ、紙パックを購入する費用がかかる点がデメリットだと感じます」(大津さん)

【お掃除エリア2】キッチン

次はキッチンです。油汚れや水垢など、汚れが付きやすいエリアであるキッチンは、どのような道具があれば、効率よく掃除できるのでしょうか。

●スポンジ

シンクの汚れや水垢、油汚れを落とすには、洗剤を含ませたスポンジが最適です。食器用とシンク用で分けて使いましょう。

「スポンジは、ふかふかしていない、あまり厚みのないもののほうが使いやすいと思います。厚みがありすぎると、使用後に水分がなかなか抜けず、不衛生です。それに、薄いほうが力も加えやすいですよ」(大津さん)

●ブラシ

キッチンには狭い隙間や細かい部分が多いため、隙間ブラシを1本用意しておくと便利です。排水口まわりの溝や、排水口内部、ゴミ受け、シンクの水栓周辺、コンロ周りなどに使用できます。

●キッチンペーパー

“湿布法”で掃除する際に使います。湿布法とは、汚れを取りたい部分に洗剤で湿らせたキッチンペーパーを貼り付け、しばらく置いて汚れを浮かせてから拭き取る方法で、油汚れやこびりついた汚れを落とすのに有効です。

「キッチンはほかの場所に比べて、粘度の高いベタっとした油汚れが付きやすいエリアです。キッチンペーパーは、湿布法でこびりついた汚れを取り除く際に活用できます。また、カウンターに付いた少量の水分を拭き取るのにも手軽でいいですね」(大津さん)

●マイクロファイバークロス

マイクロファイバークロスは、湿らせれば、洗剤を使うことなく食材のカスや軽い油汚れまでしっかり拭き取ることができ、キッチンカウンターやシンク周り、ガスコンロ周りの掃除に広く使えます。

その後、乾いたマイクロファイバークロスで乾拭きすれば、高い吸水力により一度でしっかり水分を吸収できます。

「人工大理石のカウンターにも使えます。蛇口周りは、マイクロファイバークロースで磨き上げるとピカピカになり、とても気持ちいいですよ!」(大津さん)

【お掃除エリア3】浴室

浴室に必要なアイテムは3つです。

●ブラシ

ブラシはキッチン同様、排水口などの狭い部分を掃除する隙間ブラシに加え、床や壁を掃除するバスブラシを用意しましょう。バスブラシは床だけでなく壁にも使用が可能。ブラシに洗剤をつけてこすり洗いをすれば、短時間でラクに浴室が掃除できます。

「バスブラシを使えば、かがむことなく上から力をかけながらこすり洗いができるので、掃除がラクになります。伸縮タイプのものだと、天井など高い場所も掃除できて便利です。柄が太く、グリップが握りやすく手が滑りにくいよう加工されたものだと、しっかり力を加えられていいですね」(大津さん)

●スポンジ

主に浴槽や鏡、収納台の掃除に使います。洗剤を使い、皮脂汚れや石けんカスを落としましょう。

「スポンジ選びの基準は、キッチンのスポンジと同じですが、面積が広いものだと使いやすいと思います」(大津さん)

●水切りワイパー(スクイージー)

水分を素早く取り除き、水垢やカビの発生を防ぐために使います。

「バスタオルで代用できないこともありませんが、とても大変なので、水切りワイパーがあると便利です。壁や床など浴室全体を水切りするのが理想ですが、冬場は寒いですよね。鏡だけでもいいので水切りするよう心がけると、浴室を美しく保てますよ」(大津さん)

【お掃除エリア4】トイレ

菌が繁殖しやすいトイレの掃除道具は、他のエリアと併用せず、専用の道具を揃えると安心です。

●トイレブラシ

便器内の掃除に欠かせないトイレブラシは、特に管理に注意が必要です。

「トイレブラシはどうしても菌が多くなってしまいます。定期的に交換するか、ブラシ部分が使い捨てになっているタイプを選ぶといいでしょう」(大津さん)

●トイレ用クロス

便器の外側や壁、床、タンク、レバーなどの汚れを取り除くために使います。

「雑巾やボロ布でもかまいません。衛生面を考慮して、クロスはトイレ専用のものを用意しましょう。クロスの代わりにトイレットペーパーとトイレ用のクリーナーを使う方法もあります」(大津さん)

●トイレ用ハンディーモップ

衣類の脱ぎ着をするため、トイレには意外とほこりがたまります。そこで、換気扇に溜まった汚れを取り除くために、トイレ専用のハンディーモップを用意しておくと便利です。

【お掃除エリア5】玄関・ベランダ

外部に面する玄関やベランダは汚れやすい場所。広い面積を短時間で掃除するためには、次の4つのアイテムを用意するのがおすすめです。

●ほうき&ちりとり

ほうきとちりとりは、玄関やベランダの小さなゴミやほこりを効率よくかき集めるために必須のアイテムです。

「かがまずにゴミを集められる背の高いちりとりだと掃除がラクです。ほうきとセットにして収納できるものだといいですね」(大津さん)

●デッキブラシ

ベランダやデッキの床掃除に役立ちます。広い面積にこびり付いた泥やカビ、苔など頑固な汚れを一気に落とすことができます。

●マイクロファイバークロス

玄関ドアや鏡、玄関棚や靴箱の表面にたまったほこりを拭き取るのにも便利です。

「マイキロファイバークロスは場所ごとに専用のものを用意しましょう。色分けしておくと管理が楽になります」(大津さん)

●雑巾

たたきの部分を掃除する際に使用します。ほうきとちりとりでゴミやほこりを取り除いたあと、雑巾で拭き上げましょう。

「マイクロファイバークロスだと砂や泥が繊維に入り込んでしまうので、たたきの掃除には適しません。雑巾で水拭き、乾拭きをして床面をピカピカに仕上げるとスッキリしますよ」(大津さん)

快適な空間づくりには掃除道具が欠かせない!

新生活を迎えるにあたり、揃えておくと良い掃除道具は以上のようなアイテムです。すでに一通り揃えていたつもりでも、意外と見落としていたアイテムがあったりしたのではないでしょうか?最後に大津さんは、掃除道具を揃えることの意義についてこうコメントをくれました。

「適切な掃除道具を揃えることで、掃除の効率が大幅に上がります。結果的に短い時間で清潔を保てるようになり、快適な空間を維持することが可能になります。ぜひこれを機に、ご家庭の掃除道具を見直してみてくださいね!」(大津さん)

イラスト=ヨシカワミノリ 取材・文=杉原由花

教えてくれたのは

大津たまみ

1970年生まれ、愛知県出身。一般社団法人日本清掃収納協会会長。株式会社アクションパワー取締役会長。一般社団法人生前整理普及協会代表理事。清掃収納マイスター1級認定講師のほか、ジュニア片付け収納マイスター認定講師、風水師の資格も。「お掃除お片づけ」のプロとして30年以上のキャリアを持つ清掃業界のカリスマ的存在。年間200本以上の講演のほか、テレビ・雑誌・ラジオなどで片づけや掃除法を伝授する

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