
運も気分も上向きに!ココだけ守ればピッカピカ「浴室お掃除ガイド」
おそうじ・収納アドバイザーとして活躍する大津たまみさんに、すぐに実践したくなる掃除テクニックなど生活に役立つアイデアを教えてもらう「お掃除連載」。
今回のテーマは体をキレイにするための浴室。1日の疲れを取るリラックスタイムのためにも、いつも清潔に保っておきたいもの。けれど、まめに掃除をしないと浴槽にはあかがこびり付き、壁やドアパッキンなどは、放っておくと黒カビやピンクカビが…。とはいえ、お風呂に入るたびに隅々まで掃除するのも大変!「必要最低限のお掃除でピカピカをキープする方法はないの?」とお嘆きの方のために、浴室掃除の6つのポイントを教えてくれました。
「浴室掃除は、とにかく手順が命。ポイントを絞ってやれば、効率的に浴室をキレイにできますよ!」(大津さん)

浴室掃除をする際にお掃除のプロが必ずやることは、お風呂を使う時の目線で掃除をすること!
「他の部屋のように立って掃除をすると、毎日のリラックスタイムの時に目に入る汚れを見落としてしまいます。浴室を掃除する時は、かがんで目線を落として掃除をしましょう。きっと、これまで気付かなかった汚れを見つけることができるはず。それを落とせば、これまで以上に気持ちよくお風呂を使えますよ」(大津さん)
浴室掃除は、手順通りに行うことがとにかく大事。まずは換気扇を回して換気してから掃除を始めましょう。
「換気が終わったら、シャワーを浴びる時と同程度の42度くらいの温度のお湯で浴室全体を軽く流しましょう。そうすると床や浴槽の表面に付いた皮脂の汚れが熱で緩くなり、落としやすくなるんです」(大津さん)
掃除の手順は、部屋の奥から手前にというのが基本のルール。汚れ落としはまず浴槽から始めて、壁と床は浴室の奥からドアまで、順番に進めましょう。
汚れを見落としがちなのは、エプロンと呼ばれる浴槽の外側の部分。

「実は、浴室の中で一番汚れているといっても過言ではない場所がここなんです。着脱式になっている場合は、面倒でもそれを外して内側の汚れを落とすこともお忘れなく。最後に排水溝をキレイにすることも忘れないでくださいね」(大津さん)
浴槽用の洗剤もいろいろあるが、どんな汚れにどんな洗剤を使えばいいの?
「浴槽のあかや床のぬめりなど、軽い汚れの時は中性洗剤を使いましょう。面倒だから、なんにでもカビ取りスプレーを使うという人も多いようですが、それは危険」(大津さん)
実はカビ取り剤は漂白剤なので、浴室のお掃除にもよく使われるクエン酸などの弱酸性の薬剤と混ざると有毒ガスが発生するとのこと。排水溝などで混ざった場合、意図せず命に関わる事故につながってしまうこともあるので注意してほしい。
では、しつこいカビを取りたい時はどうしたらいい?
「カビ取りスプレーはカビを落としたいところだけ、ピンポイントにシュッと吹いて、そこにキッチンペーパーをしばらくのせておきましょう。カビ取り剤は揮発性が高いので、十分に効果が出る前に蒸発してしまわないためのこつでもあります。特に、ゴムパッキンに生じたカビは根があるので、表面だけを漂白してもカビの黒い汚れがまたすぐに生えてきてしまいます。ペーパーを使って、じっくり時間をかけてカビの根まで落としてくださいね」(大津さん)
ちなみに、昨今はこすらなくていい浴槽用の洗剤も登場。本当にこすらなくても大丈夫なの?
「たまにこすって汚れを落とすことも必要だと思います。なぜなら、浴槽の壁面にスプレーした洗剤は、引力に負けて流れて落ちてしまうので、十分に洗浄できていない場合もありますから。手で触ってざらついているようなら、こすって汚れを落としましょう。つるつるの浴槽で、気持ちよくバスタイムを楽しんで!」(大津さん)
洗剤を洗い流したら、掃除は終わり!と思っている人も多いはず。でも、それは本当のフィニッシュではありません。
「浴室掃除のラストは、吸水タオルで残った水滴を拭き上げて。吸水タオルは、100円ショップで売っているもので十分使えます。また、壁や窓、床は、水はけ用のスクイジー(水切り)を使うと簡単で便利ですよ。それも面倒ならばバスタオルで拭くのもあり!」(大津さん)

スクイジーは1000円前後で買える手軽なものでOK
水気があるところにカビは生えるものなので、とにかく水気を残さないことが、浴室を汚さない極意。浴室に水を残さないでおくだけで、約1年半もの間、拭き掃除をするだけでカビが生えてこなかったという実験結果もあるそうだ。
「浴室をキレイに見せるためには、光るものは必ず光らせましょう。まずは蛇口をピカピカにするだけで、浴室全体がとてもキレイになったような印象になるんですよ」と大津さん。
蛇口をピカピカにするこつは、拭き上げの時にマイクロファイバークロスを使うこと。
「いろんなタイプが発売されていますが、プロが使うのは目が細かいもの。凹凸がついている表面を使って拭き上げると、キレイに汚れを落としてくれます」(大津さん)
より光らせたいなら歯磨き粉を使うのが裏ワザ。

「歯磨き粉を指に付けてこすり、水で洗い流してからマイクロファイバークロスで拭き上げます。すると抜群に光るんですよ。中性洗剤でこするのでもOK!」(大津さん)
チューブの隅に余った歯磨き粉の有効利用ができそう!
ちょっとした工夫で汚れを予防しておけば、掃除がらくらくに!
「ドラッグストアなどで売っているカビ予防剤を使うと、そもそものカビが生えることを予防してくれるので掃除の手間が激減しますよ。噴霧式のカビ止め剤も効果的です」(大津さん)
最後の最後にも換気扇をかけるのをお忘れなく。
「使わない時の浴室を乾燥させておくことも、汚れの予防には大切です。湿気は、カビや菌が発生する大きな原因になりますから。可能であれば、浴室は常時換気が望ましいですね」(大津さん)
取材・文=本嶋るりこ
大津たまみ

1970年生まれ、愛知県出身。一般社団法人日本清掃収納協会会長。株式会社アクションパワー取締役会長。一般社団法人生前整理普及協会代表理事。清掃収納マイスター1級認定講師。「お掃除お片づけ」のプロとして30年以上のキャリアをもつ清掃業界のカリスマ的存在。年間200本以上の講演のほか、テレビ・雑誌・ラジオなどで片づけや掃除法を伝授する