家具購入前のイメージ作りでお部屋の“ちぐはぐ感”を解消!統一感のあるすてきな部屋にするためのコツ
新生活がスタートする春は、進学や就職で1人暮らしを始めたり新居へ引っ越したりと、新たな門出を迎える季節だ。新しい部屋でこだわりの詰まったすてきなインテリアを目指したいなら、家具の購入前からの準備が大切!今回はインテリアコーディネーターの住吉さやかさんに、統一感のある居心地の良い部屋づくりのコツを教えてもらった。
ベッドにテーブルにカーテンに…。家具を買う時、「必要な物」だけ決めてとりあえずお店に向かうこともあるはず。でも、初めての1人暮らしや、家具の買い替えを予定している時に大切なのは「どんな部屋にしたいか」という具体的なイメージ。家具の購入前に、まずはネットや雑誌などで「すてきだな」と感じる部屋の写真を集めてみよう。そうしているうちに、自分が好きなインテリアの傾向が分かってくる。北欧、ホテルライク、シンプル…などテイストはさまざまだが、自分でも気付かなかった色の好みなどが分かり、思わぬ発見があることも。自分なりのイメージを持つことが大切。
視界に入りやすいカーテンやベッドカバーをカラーコーディネートの中心に
Designed by Sayaka Sumiyoshi、Photo by HirokazuTouwaku
インテリアのイメージがつかめたら、次は部屋のテーマカラーを決めよう。ワンルームや1DKの部屋では、カーテンやベッドが室内で大きな存在感を放つ。目に付きやすいこの2カ所に同系色のカラーを取り入れると部屋に統一感が生まれ、すっきりと見える。自分だけの空間のため、思い切って好きな色をチョイスしよう!
また、1人暮らしではベッドがソファを兼ねることもしばしばあるが、そんな時ベッドカバーがあると布団の汚れを防ぐことができる上、カバーを変更することで気軽に模様替えも楽しめる。さらにベッドカバーの上に柄入りのクッションを並べれば、インテリアのアクセントにも。
Designed by Sayaka Sumiyoshi
ひと口に「木製」と言っても、木の色の濃淡や、木目の模様の違いでずいぶんと雰囲気が変化。家具を一から買いそろえる場合は、なるべくこれらを統一すると部屋がすっきりと見える。
ただし、後から家具を買い足す場合は色や木目がそろわないことも。そんな時は、家具にファブリックをあしらうなど小物使いのカラーで統一感を持たせよう。部屋のテイストやテーマカラーが決まっていれば、木の風合いが違っていても逆にそれが味となってすてきに見えることも。どうしても気になる場合は、家具にリメイクシートを貼るなどDIYにチャレンジしてみては?
なにかと重宝するプラスチックケース。お手軽価格で便利だが、部屋をすてきに演出したいなら、目に付く場所にプラスチック製品を置くことはやめよう。ベッドの下やクロゼットの中など、見えない部分の収納に活用するのがおすすめ。
また、1人暮らしの部屋で多く見かけるカラーボックスは、本棚としても整理棚としても使えて汎用性が高い。なるべくシンプルなデザインのものを選び、収納アイテム等でお部屋の雰囲気に合わせると〇。収納する際は雑然と物を置くのではなく、収納ケースで統一するとスッキリとした印象に。飾り棚として使用する場合は、飾りたい物を厳選して余白を作るなど、工夫次第でおしゃれに見える。
Designed by Sayaka Sumiyoshi
ティッシュボックスにカバーを付けたり、ゴミ箱にセットするビニール袋が見えないように工夫したり小さな部分に心を配ることで、部屋の印象はさらにすてきに。
照明もその一つで、最近では調光・調色機能のあるものがほとんどだが、直接照明と間接照明を切り替えられるタイプも登場している。1人暮らしでは仕事や勉強、食事、睡眠など一日の行動をすべて同じ部屋で済ませるケースも珍しくない。そこで、照明を調節できれば同じインテリアでも、リラックスモードとアクティブモードの切り替えが上手にできる。
また、壁面のアレンジもインテリアには重要な要素だ。好きな絵や写真を飾ったりドライフラワーをつるしてみたりと、部屋のスタイルと合わせた装飾でさらに統一感が生まれる。上手に取り入れて自分なりのインテリアを楽しんでみよう。
「1人暮らしだからこそ、失敗を恐れずに自分なりの部屋作りにチャレンジしてほしい!」と住吉さん。ワンルームや1DKの限られた空間でも、すてきなインテリアのためにできることはたくさんありそう。最初から完璧でなくても大丈夫なので、試行錯誤を楽しみながら理想の部屋を少しずつ作り上げていこう。
取材・文=植木淳子
住吉さやか
インテリアコーディネーター。アートライフスタイリスト・マスター。Class S interior design代表。大手ハウスメーカーで新築戸建てのインテリアを3年間で100件担当。2018年に独立後は、インテリアのトータルコーディネートのほか講師活動など幅広く活動。自身の15回もの引っ越しの経験を基に「快適さとデザインが両立する」インテリアの提案を行う。