ベタベタギトギトのレンジフード&換気扇も簡単きれいに!
油汚れでベタベタになったレンジフードや換気扇。キッチン周りでは、一番大掃除をしたくない場所ナンバーワンかもしれませんね。なかなか触る気になれないあの場所だけど、今年こそすっきりきれいにしたい!そこで、お掃除のプロ・大津たまみさんに、手を汚さずに簡単にお掃除する方法を伝授してもらいました!
油汚れで手がドロドロにならないための第一歩は、ゴム手袋を着けて作業すること。手を保護する役目も果たすので、けがや手荒れも防ぐことができます。装着時のこつは、裾の部分をクルッと折り返すこと。
「レンジフードや換気扇は部屋の上の方に付いているので、拭き掃除や部品の取り外しの時に腕を上げて作業しますよね。その時に、ゴム手袋を伝って油汚れが垂れてくると洋服を汚してしまうことにもなりかねません。でも、手袋の裾を折り返しておけば、そこに油汚れがたまるので垂れてくることを防げますよ」(大津さん)
部品を取り外す前に、まずは弱アルカリ性の洗剤を使ってレンジフード、換気扇の表面を軽く拭いてから作業をすると、汚れが落としやすくなります。
「レンジフードや換気扇が塗装されている場合は、直接洗剤を振りかけると塗装が剝げてげてしまう場合があります。洗剤を使う前に、必ず目立たないところでテストしてくださいね。使って大丈夫なら、ぬるま湯に洗剤液を溶かし、捨ててもいいボロ布などを浸して絞り、汚れを軽く拭き取りましょう」(大津さん)
油汚れは温度が高いほど落ちやすくなります。それを利用して、シロッコファンなどの部品を50℃くらいのお湯でつけ置き洗いをします。やけどや塗装落ちに気を付けて、部品を取り外す時は、取り扱い説明書をよく読んでから作業しましょう。
「つけ置き洗いにシンクを使うと、お湯の温度が下がりやすく、終わった後のシンクも洗いやすいです。段ボールや発泡スチロールの箱の中に大きな袋を入れて、その中にお湯を張ってつけ置き洗いすると、終わったら捨てるだけで簡単ですよ」(大津さん)
細かい部品は、耐熱性があって密閉できるビニール袋にお湯と洗剤を入れて、その中でつけ置きをします。
「細かい部品の入った袋は、袋ごと大きい部品を入れたビニール袋に入れて一緒につけ置きします。全ての部品を入れたら、お湯の温度が下がらないようにビニール袋の口を縛ってから箱のふたをしっかり閉めましょう」(大津さん)
30分ほど、つけ置きした袋の上から油汚れの溶け具合を確かめ、柔らかく落としやすくなったら袋から取り出します。しつこく残った汚れは、食器用洗剤や重曹を使って洗い落とします。酸素系漂白剤を使う場合は、塗装が剥げることがあるので必ずテストしてから使いましょう。
「酸素系漂白剤が使えない場所のしつこい汚れには、重曹を使うと効果的です。50℃のお湯1ℓにつき50gの重曹を溶かし、捨ててもいいスポンジやボロ布などを使って汚れを取りましょう」(大津さん)
水洗いで洗剤を落としたら乾いた布で拭いて、部品を元通りの場所に取り付けます。最後に、残った汚れがないかチェックしながら全体の仕上げ拭きを。
「仕上げ拭きには、薄手のマイクロファイバークロスがおすすめ。繊維が細かいのでピカピカの仕上がりになりますよ」(大津さん)
大掃除の大物・レンジフード&換気扇。汚れを落としやすいお湯や、適した洗剤などを上手に使って、ラクにきれいに掃除しましょう。
取材・文=本嶋るりこ イラスト=ヨシカワミノリ
大津たまみ
1970年生まれ、愛知県出身。一般社団法人日本清掃収納協会会長。株式会社アクションパワー取締役会長。一般社団法人生前整理普及協会代表理事。清掃収納マイスター1級認定講師。「お掃除お片づけ」のプロとして30年以上のキャリアをもつ清掃業界のカリスマ的存在。年間200本以上の講演のほか、テレビ・雑誌・ラジオなどで片づけや掃除法を伝授する