衣替えの時季に知っておきたい!キレイを保つクローゼット活用法
ようやく秋めいた季節になり、そろそろ夏物から秋&冬物への衣替えを行いたい時季。クローゼットの中を見たら、いつの間にやらぐちゃぐちゃで、何がどこにあるのやら…。いざ秋冬の衣類を出してみると、シワやほこり、カビで悩まされた経験がある人もいるのでは。そんな人のために、衣類を清潔に保ちつつ、スッキリ片付くクローゼットの活用術をお掃除のプロ・大津たまみさんがお教えします!
行き当たりばったりにやみくもに片付けるだけでは、使いやすいクローゼットにはなりません。どんなクローゼットにしたいかまずは決めてから、整理に取りかかりましょう。
「一人暮らしか、家族がいるか、仕事着があるか、在宅勤務かなど、使う人の生活パターンによってもクローゼットの整理方法は変わります。『日々のコーディネートをひと目で決めたい』『服を畳まずに済むようにハンガーに掛けられる数を増やしたい』など、自分の理想のイメージをしっかり考えてから動きだしましょう」(大津さん)
もったいないという理由だけで、着ない服を何年もしまい込んでおくのは逆にスペースの無駄づかい。理想のクローゼットのイメージが固まったら、着る服、着ない服を整理して、クローゼットに収納する衣類の数を減らします。
「着る服と着ない服のカンタンな仕分け方があるんです。それは、着た服をしまう時に常に手前に掛けていくこと。そうすると自然と奥のほうに着ない服が残っていきます」(大津さん)
着ない服の中に「捨てたくない」と未練が残るものがあった時は?
「大きなビニールシートを十字で四分割して、それぞれ“着る”“着ない”“迷い”“移動”の4つに分類して仕分けていくと便利ですよ。8秒以上迷った服は、“迷い”に分類しましょう。ワンシーズンでは未練が残る可能性があるので、2年間ほど保管して、そこでまた捨てるかどうか決めるのが後悔の残らないやり方です。クローゼットから場所を移して保管するものは“移動”させましょう」(大津さん)
分類が終わったら、“着る”に分類した服だけをクローゼットに収納します。“迷い”に入った衣類はボックスなどに収納して「迷い箱」とラベリングし、別の場所に移動させます。こうすることで本当に着る服なのかどうか明確になります。着る服は取り出しやすい場所へ収納。“迷い”に入った衣類は同じボックスなどに収納して「迷い箱」とラベリングし、棚の奥や上段などにしまいます。
ボックスに収納する前には、長い期間の保管でシワがつかないようキレイに畳みましょう。
「幅を同じにして畳むのがコツですよ。取り出しやすいように縦に入れていきましょう。ブックエンドなども活用すると、さらに取り出しやすくなります。大きな布団カバーなど大きなものは、畳んでからファスナー付きの収納袋などに入れるとキレイに保管できます。洗濯が終わったばかりのよく着る服を手前に収納していくと、次のシーズンに出す時に便利。どこに何が入っているかひと目で分かるように、ボックスの側面や引き出しにはラベリングをお忘れなく!」(大津さん)
ハンガーパイプに掛ける衣服は、「通勤用」「おでかけ用」「普段着」「その他」(パーティー服など)と、シーンごとに分けて掛けていくと使い勝手が◎。
「シーンごとにリボンで色分けをしたり、ハンガーパイプに目印を付けて区分けすると、より分かりやすくなります。他にも“季節別”、“カテゴリー別”“家族別”など、自身のライフスタイルによって便利な仕分け方を考えてみましょう」(大津さん)
パイプハンガーで場所を取るのは、冬の厚手のコート。狭いクローゼットがギューギューになってしまうだけでなく、丈があるロングコートなどは床についてしまい収納に困る場合も。ここで便利なのは、圧縮袋!
「衣服用の圧縮袋が発売されているので、それを利用してダウンコートなどのかさばるコートを収納しましょう。1/3ほどのサイズまで圧縮できるのでスペースが確保できますよ。ただし、ロングコートを折って圧縮するとシワになるのでおすすめできません。丈の長い圧縮袋もあるので、サイズにあったものを使いましょう」(大津さん)
せっかくキレイに整理できても、衣類が虫に食われる、湿気がこもってカビてしまっては元も子もありません。
クローゼットは繊維くずによるほこりがたまりやすい場所。それによる雑菌の発生からのカビの繁殖を防ぐためにも、定期的に掃除機をかけてほこりがたまらないようにします。
「スペース確保のための衣類の圧縮袋は、ほこりも虫も防げるので一石二鳥。また、衣類を食べる虫の発生は、衣類と同じ場所に保管している布団が発生源になっていることも多いです。布団はしっかり乾燥させて防虫対策してから収納しましょう」(大津さん)
カビ予防には、何より湿気をためないことが大事。こちらも定期的に湿気がこもらないよう換気をします。床にスノコを置いてから、その上にボックスなどを置くようにするだけでも通気性が上がってカビを防げます。
「市販の湿気取りで間に合わないほど湿気がこもりやすいクローゼットの場合は、小さめの除湿機を置くこともおすすめですよ」(大津さん)
見た目もキレイで機能性もいいクローゼットなら、いつでも気持ちをスッキリさせてくれますね。キレイに活用しましょう。
取材・文=本嶋るりこ イラスト=ヨシカワミノリ
大津たまみ
1970年生まれ、愛知県出身。一般社団法人日本清掃収納協会会長。株式会社アクションパワー取締役会長。一般社団法人生前整理普及協会代表理事。清掃収納マイスター1級認定講師。「お掃除お片づけ」のプロとして30年以上のキャリアをもつ清掃業界のカリスマ的存在。年間200本以上の講演のほか、テレビ・雑誌・ラジオなどで片づけや掃除法を伝授する